
WBA王者バルガスと挑戦者の比嘉大吾(写真・山口裕朗)
「負けたら即引退会見」「勝ったら7年3か月最長ブランク記録」崖っぷち3戦連続世界戦の比嘉大吾が明日WBA王者バルガスに挑む…KO決着必至の打撃戦を制するのはどっちだ?
一方の王者バルガスは、「必要なことをすべてやってここにいる。30日にスキルをお見せしたい」と、自信をのぞかせた。
「1、2ラウンドはまずは状況に慣れどんなボクシングをしてくるか相手のスタイルを見る。そこから適応する。相手のプランに適応できる様々なファイトスタイルがある。クリーンショット、有効打を当てていきたい。私は勝敗予想などしないが、ディフェンスをしっかりさせ、手数を出していく試合にしたい」
バルガスは2回戦で敗れたもののリオ五輪出場経験のあるアマエリート。ただ、ここ2戦は続けてダウンを奪われ、ダウンを奪い返して勝つというスリリングな試合を乗り越えてきており、ガードが下がるという致命的欠陥がある。
公開練習では、そのガードの甘さを認め、フロリダ、ラスベガスの2度にわたったキャンプで「修正してきた」という話をしていたが、打撃戦になれば必ずその隙は出てくる。ある意味、比嘉と似たタイプ。
比嘉もそれを理解した上でこう試合展開を予想した。
「パンチをもらわないこと。ガードっすね。お互い近い距離で打ち合うので、どっちかが当ててどっちかが倒れる」
バルガスは至近距離で左右のフックを振り回してくる。
対する比嘉陣営は、ジャブを重要視しており、それで牽制した上で、得意の左右フックをバルガスより、半歩遠い距離から打ち込んでいくプラン。2試合連続でダウンを喫しているバルガスは打たれ強くはない。比嘉のフックが炸裂すれば間違いなくKOシーンを演出できる。当分の間、引退会見が開かれることはないだろう。
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