
「井上尚弥の声は聞こえていた」モンスターの幼馴染の元Jリーガー山口聖矢が東日本新人王準々決勝で判定負け…現役続行を明かし「3度目の正直」となる来年再挑戦を宣言
プロボクシングの東日本新人王のライト級準々決勝が31日、後楽園ホールで行われ、スーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)の親友である元Jリーガーの山口聖矢(31、同)が、小原健人(28、Reason押上)からダウンを奪われ、0-3の判定負けを喫した。2度目の挑戦に失敗したが、現役続行を宣言し、来年のラストチャンスにかける思いを明かした。

3ラウンドに痛恨ダウン
打ち気にはやり、一瞬、無防備になった。
3ラウンドだ。
山口は、小原のカウンターの右フックをもろに浴びて、勢い余ってひっくり返るくらいのダウンを喫した。
「相打ちを狙っていたんですが、ストレートが当たる感じがなくて、強引にいってみようと思ったところでダウンを食らった。効いた感じはなかった。フラッシュダウン的な感じで」
1ラウンドは小原のプレスを受けて下がる展開。
「最初見過ぎた。やり辛いタイプ。パンチも堅かった」
コーナーに詰められ左フックを被弾して右目が腫れてポイントを取られた。
「真吾さんも尚弥の声も聞こえていた。もういくしかない」
リングサイドに陣取った“親友”井上尚弥の「近ずけ!」のアドバイスを背に2ラウンドは前に出てポイントを取り返した。
しかし、この3ラウンドのダウンで2ポイント差となり最後の4ラウンドで逆転KOを狙うしか手がなくなった。
だが、一発を狙うあまりパンチが大振りになり空回りが続いた。
「相手がうまかった。逃げて逃げて。そうなるとやりづらい」
右ストレートを一発ヒット。ロープに詰めたが無情のゴング。もう山口はその段階で敗戦を覚悟していた。39-36が2人、38―37が1。ジャッジは3者共に9戦5勝(1KO)3敗分けとなった小原を支持した。
山口は後楽園ホールの控室前の通路で取材に対応した。
「ダウンをしてから吹っ切れたんですが、最初から前へ出ていっていればまた変わったかなと。尚弥には、『もっとくっついて、近づいたときにガンガンいけ』と言われていたんです。最初から見合わずできていれば。どうだったか。悔いが残るところですね」
井上は山口のサッカーで鍛えたフィジカルの強さとパンチ力を生かしたパワーボクシングを推奨していた。それができなかったことに悔しさをにじませた。
「去年の負けよりも悔しいですね。去年は倒されても倒し返せた。今年はいけると思ったんですが、まだまだ…ですね」