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ジムメイトが緊急事態に陥っている中谷潤人がリング事故防止に提案
ジムメイトが緊急事態に陥っている中谷潤人がリング事故防止に提案

ビッグバンが動かした!ジムメイトの緊急事態にWBC&IBF王者、中谷潤人の「MRI検査の導入」提言をJBCが検討へ

 プロボクシングのWBC&IBF世界バンタム級王者の中谷潤人(27、M.T)が2日のOPBF東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチの試合後に救急搬送され、急性硬膜下血腫の診断で開頭手術を受けたジムの先輩にあたる神足茂利(28)の回復を願うメッセージを発信し、再発防止に自らが実行しているMRI検査の導入を提案したが、JBC(日本ボクシングコミッション)がその案を検討することが明らかになった。また地域タイトルのラウンド数の短縮について12日に後楽園で行われるWBOアジアパシフィックスーパーフライ級タイトルマッチ、19日のOPBF東洋太平洋同級タイトルマッチを12回を10回に短縮する方向で進められている。

 「早く(意識が)戻ってきてくれるように念を送りたい」

 中谷がジムメイトを見舞ったのは緊急事態が起きたタイトル戦の翌日だった。先輩にあたる神足が後楽園ホールで悲願の初挑戦となるOPBF東洋太平洋タイトルマッチでドロー判定に泣き、自分の足で控室に戻ってから異変が起き、医務室で意識を失った。ホールに近い病院に救急搬送され「急性硬膜下血腫」の診断で緊急開頭手術。中谷が、逢いに行った際にも、まだ意識は戻っていなかったという。
「お互いがリスクがある中でダメージを与えあうスポーツ。神足君がこういう状況になって悲しいが、祈ることしかできない。歯がゆいですが、(意識が)戻ってきてくれることを祈って一人でも多くの人がそういう思いを届けてもられば、神足君にも届くと思う。僕もしっかりと早く(意識が)帰ってくれるように念を送りたい」
 そう呼びかけた。
 この興行では、第4試合の日本ライト級挑戦者決定戦でも8回TKO負けをした浦川大将(帝拳)がリング上で意識を失い担架で医務室へ運ばれた。一度、医務室で意識を取り戻したが、救急搬送されている車内で再び意識を失い、同じく「急性硬膜下血腫」の診断で開頭手術を受けた。5月にはIBF世界ミニマム級タイトルマッチで、重岡銀次郎(ワタナベ)が救急搬送され、開頭手術を受け、未だに意識が戻らない状況。相次ぐリング上の事故を重くみたJBCが、原因究明と、再発防止に向けて動き始めている。
 健康管理には人一倍注意を払っている中谷は、再発防止にMRI検査の導入を提案した。
「僕自身は数多くスパーリングをするタイプの選手。WBCで決まっているものもあってMRIを練習段階で取っている。健康状態もチームと共有してやるのが大事、試合は、リスクの高い場所だが、練習の段階から傾向があるのかもしれないので、脳の状態を把握して、そういったところ繊細にやっていかないと」
 WBCでは世界戦の前にMRI検査画像データの提出を義務づけている。中谷は2024年2月にWBCバンタム級王座を獲得したが、この試合前から定期的にMRI検査を行っている。
「脳の先生とも、どういう状況がダメなのかという話もさせてもらっている。選手自身が、リスクをわかっておくことで意識レベルでより安全な方へもっていける。チーム全体、チーム自身もリスク覚悟のうえで、そういうリスク回避を徹底してやっていければ」
 健康管理に関する知識や意識の啓蒙の大切さを熱く問いかけた。

 

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