
「大谷翔平は詐欺師に狙われている」米人気キャスターが約355億円規模ハワイ開発を巡る訴訟問題を「ナンセンス」と批判…大谷は何も関与しておらず「スキャンダルには程遠い」の米報道も
ドジャースの大谷翔平(31)が代理人のネズ・バレロ氏(62)と共にハワイの2億4000万ドル(約354億6000万円)規模のリゾート開発を巡って開発会社と不動産投資家から損害賠償を求められた問題が波紋を広げている。13日(日本時間14日)のエンゼルス戦に「1番・投手兼DH」で先発出場した後には、関連の質問が飛び、大谷は「フィールド集中したい」と返した。また米人気スポーツキャスターのコリン・カウハード氏(61)は「ナンセンス」と、大谷に非がないことを伝え、米メディアも大谷は何も知らずに巻き込まれただけで「詐欺師に狙われている」「スキャンダルに程遠い話」との見解を示した。
大谷は「もうフィールドに集中したい」と困惑
球場外の雑音を吹っ飛ばすほどの存在感を示したはずだった。
大谷は古巣エンゼルス戦に「1番・投手兼DH」で初登板。2023年のWBC決勝以来となる「大谷vsトラウト」の“至高対決”で、二刀流スターは2打席連続の見逃し三振で圧倒、5回を投げ切れず途中降板となったもののリードは保ち、復帰後9試合目にして最多の80球を投げた。
1回の第1打席では三塁打。MLB公式サイトによると、1900年以降で先発投手の初回三塁打は初だという。ただ不振のブルペン陣がまた8回に逆転を許して4連敗。ついにパドレスにナ・リーグ西地区首位の座を明け渡すことになった。
だが、試合後には、米メディアからハワイのリゾート開発を巡っての訴訟についての質問が飛んだ。米サイト「ドジャーブルー」の映像によると大谷は「もうフィールドに集中したい。チームの負けも続いているのでチーム全体として早く1勝して、1戦1戦、勝ちきりたい」と返した。
ハワイの裁判所に開発業者のケビン・J・ヘイズ・シニア氏と不動産ブローカーのトモコ・マツモト氏の2人が民事訴訟を起こしたのが今月8日。
大谷は2023年にハワイの高級リゾート地「マウナケア」の開発プロジェクト「ザ・ビスタ」の広告塔として起用され、14件ある邸宅の平均価格は1730万ドル(約25億5600万円)で、大谷が最初の居住者になるとされていた。
訴状によると、バレロ氏が大谷の広告塔としての要求をエスカレートさせ、主要開発会社である「キングスバーン・リアルティ・キャピタル」に対し「大谷をプロジェクトから撤退させる」と脅した上で、ヘイズ氏とマツモト氏をプロジェクトから外すように求めたとされる。
「2人を外さなければ大谷の名前と権利の侵害を理由とした報復訴訟を起こす」との最後通告も行ったという。
訴えた原告の2人は「予想される住宅建設利益、建設管理手数料、ブローカー手数料で数百万ドルを失うことになる。有名人である影響力を利用して原告の役割を不安定にして最終的に(私達を)解雇した」と主張。大谷とバレロ氏に「儲けを妨害された」と訴えたのである。
だが、米スポーツサイト「ジ・アスレチック」は、今回のプロジェクトを主導している「キングスバーン・リアルティ・キャピタル」の広報コメントを入手。
「大谷氏とバレロ氏に対する告発は、完全に根拠がなく全くの無意味です。ヘイズ氏に関する対応や、マツモト氏をプロジェクトから外した件については当社が全責任を負います」と同社は2人の訴訟を批判して、大谷が無関係であることを強調した。
また原告側の弁護士ジョシュ・シラー氏は、ヘイズ氏とマツモト氏が実際にやり取りをした人物は、バレロ氏だけで「大谷がバレロ氏の行動を知っていたかは把握していない」とも語っているという。ある関係者は、「これはごく普通のビジネス上の争いにすぎない。自分たちの不正行為から目を逸らさせるために無関係な人々を不当に攻撃するのは悲しいこと」と、有名人の大谷を巻き込んだ今回の訴訟騒動を批判した。