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メジャー通算100号を放った大谷翔平を祝福する舞台裏でマドン監督が謎のサインボールを贈った(写真・AP/アフロ)
メジャー通算100号を放った大谷翔平を祝福する舞台裏でマドン監督が謎のサインボールを贈った(写真・AP/アフロ)

イチローにもあった過去…大谷翔平が通算100号記念にマドン監督からプレゼントされたM.C.ハマーのサインボールの謎とは?

 エンゼルス大谷翔平(27)が、オークランドでのアスレチックス戦で日本人野手として史上3人目となるメジャー通算100号を打った5月14日(日本時間15日)の試合後にジョー・マドン監督から「記念に」とM.C.ハマーのサインボールをプレゼントされた。

 多くの人が行き交う狭い通路で行なわれた試合後の会見でマドン監督が明かしたが、「大谷は、M.C.ハマーのことを知っていたのか?」と問われ、「いまは知っている」と、意味深な言い回しで返した。

 なぜマドン監督は、かつて一世を風靡したラッパー、M.C.ハマーのサインボールを持ち出したのか。そのボールは本物なのか?それともフェイクなのか? メジャーリーガーはジョークを交えた“いたずら“が大好きだが、これらの行動を「クスッ」と笑えた人は、相当マニアックな大リーグファンである。

 そこへ話を進める前に、記録と記念球にまつわるいたずらで、13年前にこんなことがあったことを思い出した。

 実は、イチロー(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が、メジャー通算2000本安打を打ったのも奇しくもオークランドだった。

 試合後、イチローがクラブハウスで取材を受けていると、ケン・グリフィーJr.が囲みに首を突っ込み、「俺の2000本安打は、内野安打だった」とだけ言って、廊下の奥に消えていった。相好を崩したイチローは、その年からチームメートになったグリフィーについて、「僕にとって大きな存在であることは間違いない」と話し、こう続けた。

「記念のボールに落書きするぐらいの男ですから」

 イチローは、改めて手にしたボールを見ながら、声をあげた。

「レフトへのシングル、ジオ・メトロからのヒットおめでとう。ハハハハハ。名前間違ってる。間違って書いている」

 実際は、右翼線二塁打。打ったのは、ジオ・ゴンザレスから。ジオ・メトロは車の車種名。

 もちろん、本物は別にあり、その辺に転がっていたボールにグリフィーが落書きをして、「おめでとう」とそれらしく渡しただけだが、イチローにとっては、目を閉じれば、いたずらっぽいグリフィーの表情が浮かぶ、本物の記念球以上に記憶に残るボールとなったのではないか。

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