
やっぱり凄かった!「3年生のドラフト候補より評価が上」甲子園8強対決でスーパー2年生のBIG3、山梨学院の菰田陽生、横浜の織田翔希、沖縄尚学の末吉良丞の明暗はなぜ分かれたのか?
第3試合では横浜の先発、織田の無失点神話が崩れた。
ここまで初戦の敦賀気比戦で127球の完封勝利、2回戦の綾羽戦は4回から救援登板してまた無失点、3回戦の津田学園戦も106球の5安打完封勝利で甲子園に来て1点も許していなかった。
しかし、立ち上がりの1回一死一塁から内山元太にタイムリー二塁打を浴びて失点した。さらに4回二死から3連打を許して2点目を失うと村田監督は織田に降板を命じた。
最速は152キロ出ていた。
だが、松井氏は「菰田と同じく23イニングちょっとを投げてきた疲れが見えていた。彼はベース板で回転力が増すようなストレートが持ち味だが、ボールの伸びに欠けていた。2年生にして勝つピッチングを覚えたと見ていたが、軸となるストレートが揺らいで組み立てがうまくいかなくなっていたのかもしれない。課題を来年にどう克服してくるか」と指摘した。
一方、スーパー2年生の中で疲れを感じさせなかったのが沖縄尚学の左腕、末吉だ。17日の仙台育英戦で11回、169球を投げていた。
各社の報道による、比嘉監督は「できれば使わない展開になればよかったが…。末吉が終盤に短いイニングだけ投げる展開になったことが勝因」と、この試合にリリーフ待機させていた。
2-1で迎えた7回から投入されると、末吉は期待に応えて3回をゼロに抑えた。
ストレートの球速は140キロ前後に落ちていた。だが、比嘉監督が「7、8回は力を制御して投げている感じがしたが、逆に真っすぐが伸びている感じがした。最後は力が入っていた」と振り返るように要所でギアをあげた。9回二死満塁の一打サヨナラの大ピンチを迎えるも、峰松紘大を冷静にスライダーでショートゴロに打ち取った。
松井氏は、末吉の特徴を「腕が遅れてくる独特の投げ方で打者がタイミングを取りづらい。だから空振り率が高い。2年生だけど下半身、コアの太さが目を引く」と評価していた。
体格やその投球フォームのタメの作り方などは、阪神でひとつの時代を築いた左腕の井川慶に重なる。スーパー2年生の中で、唯一疲労を感じさせなかったのは、ストレートのスピードに頼るわけではない投球スタイルとそのブルドーザーのような下半身に理由があるのかもしれない。
明日21日の準決勝の第2試合では、山梨学院と沖縄尚学のスーパー2年生対決が実現することになった。