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就任1年目の阪神・藤川監督の歓喜の瞬間が刻一刻と近づいている(写真:Imagn/ロイター/アフロ)
就任1年目の阪神・藤川監督の歓喜の瞬間が刻一刻と近づいている(写真:Imagn/ロイター/アフロ)

「阪神がCSで勝率5割を切ったチームに負けたらリーグ優勝の意義や価値はどうなるんだ?」球界大御所が13ゲーム差をつけマジック「16」で独走中タイガースの“その先”に警鐘鳴らす

 阪神が優勝マジックを「16」に減らしていよいよ2年ぶりのリーグ優勝のカウントダウンが始まろうとしている。ファンの焦点は、5位の中日から3位の横浜DeNAまで3.5差圏内にあるクライマックスシリーズの出場権争い。だが、巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡達朗氏(93)は「これで阪神がCSで勝率5割を切っているようなチームに負けたらペナントレース優勝の意義や価値はどうなるんだ。もうルールを見直すべき」と警鐘を鳴らした。

 過去3位からの“下克上”は3度あり日本はロッテと横浜DeNAの2度

 もうミラクルなど起こらない。
 阪神が高校野球に甲子園を明け渡す8月のロードも、今日26日からの敵地での横浜DeNA3連戦を残すのみとなったが、ここまで12勝6敗1分けで勝ち越し、優勝マジックは「16」。2位巨人とのゲーム差は13だ。
 ファンの焦点も、他チームの狙いもCS出場権争いに切り替わっている。現在2位が巨人で3位が横浜DeNA。両チームのゲーム差は2.5で、4位広島と横浜DeNAが3ゲーム差、その広島と中日が0.5ゲーム差。まだヤクルトを除く4チームにCS出場の可能性が残っていて、虎党以外は興味をなくすはずのペナントレースは熱を失っていない。ある意味、CSを導入した意義のあるシーズンとなっているわけだが、球界大御所の広岡氏は、こう疑問を投げかける。
「まったくの興行主義だ。私はもともとクライマックスシリーズには反対だし、リーグ優勝チーム以外のチームが日本選手権(日本シリーズ)に進出した場合、日本選手権という名称を変えるべきだとも考えている。それは、セパのリーグ優勝したチーム同士が争ってきた日本選手権の歴史に傷をつけることになるからだ。もし阪神が、今年のクライマックスシリーズで、勝率5割を切ったチームに敗れでもしたらどうなるんだ?」
 現在2位の巨人がかろうじて貯金1。3位の横浜DeNAは借金4で勝率5割を切っている。
 さらに広岡氏はこう熱弁した。
「昨年もリーグ優勝した巨人がクライマックスシリーズで3位の横浜DeNAに敗れて勢いに乗った横浜DeNAが日本一となった。巨人のリーグ優勝の価値が薄れることはないが、世間の印象としては、優勝した巨人よりも日本一となった横浜DeNAの方が強くはなかったか。今季の阪神は、投打共に抜けたチームだが、短期決戦だけはどうなるかわからない。もしこれだけのゲーム差を保ったまま阪神がリーグ優勝して、クライマックスシリーズで負けるようなことにでもなれば、143試合を戦い抜いたペナントレースの意義や価値はどうなるんだ。興行的にクライマックスシリーズを廃止するわけにいかないのであればルールを見直すべきだ」
 パ・リーグが2004年からプレーオフを実施。2007年からセ・リーグも同方式の導入を決めて、クライマックスシリーズと名を変えて、セパが足並みを揃えて新方式がスタート、CS優勝チームが日本シリーズを争うことになった。

 

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