
田中将大の日米通算200勝にストップをかけた広島のまさかの「打つな」の指示と巨人の信じられない守乱…その理由とは?
巨人の田中将大(36)が28日、マツダスタジアムでの広島戦に先発し、2回6安打5失点でKOされて、王手をかけていた日米通算200勝は達成できなかった。2回一死満塁から中村奨成(26)を併殺打に打ち取ったかと思われたゴロをショートの泉口友汰(26)がエラー。自らの暴投も重なり一気に逆転を許し4点を失った。チームは泥沼の4連敗。試合後、阿部慎之助監督(46)は田中の次回登板について明言を避けた。
泉口がゲッツーの取れる正面ゴロを痛恨エラー
不運や相性で片づけていいのか。
2回だ。先頭の坂倉にデッドボールを与えた。インコースのカットボールを板倉はそれほど避けずにエルボーガードをかすった。マウンド上で田中は珍しく「避けろよ」とでも言いたげな不満気な表情を浮かべた。続く菊池には見送ればおそらくボールの外角スライダーを片手でチョコンとライト前へ落とされ、さらに佐々木のレフトへの打球も完全に詰まっていたが、ポテンヒットになった。
無死満塁。
田中は薄ら笑いを浮かべていた。
打たれた感じがしなかったのだろう。
投手の高の打席で珍しいシーンがあった。
1球目に高が空振りをすると、三塁コーチの赤松外野守備走塁コーチが高を呼び寄せて何やら耳打ちした。
現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人は「おそらく“打つな”とのサインを直接伝えたのでしょう。巨人の内野はバックホーム態勢。下手にゴロを打って併殺打に終わることを危惧したんだと思います」と分析した。
高はまったく打つ素振りを見せず見送りの三振。結果的にこの広島ベンチの好判断の指示が功を奏することになる。
続くバッターは1番の中村。1回にフルカウントからスライダーをセンター前に運んでいた。カウント1-2と追い込んでスプリット。中村の打球はゲッツーにおあつらえ向きのショート正面のゴロ。だが捕球体勢に入った泉口が打球をファンブルして同点を許したのだ。
杉内投手チーフコーチがタオルと水をもってマウンドへ。泉口はその杉内投手チーフコーチにまで帽子のつばを触って謝罪していた。真面目な性格なのだろう。
前出の評論家は、そのシーンに「ミスの原因が集約されていた」と指摘した。
「マー君の200勝というプレッシャー。打球を待つ際にも、腰高で固まってしまっていた。あれだけ体が動かなくてはミスは出る」
実は、似たシーンが13日の中日戦でもあった。勝利権利のかかった5回。一死一塁から山本をセカンド正面のゴロに打ち取ったが、門脇が併殺をあせって二塁へ悪送球。チェンジになるところがミスから失点につながり、その後、上林、ボスラーにタイムリーを許して3点のリードを守れず同点となり、目前まで迫っていた199勝目を逃したのである。
さらに今度は自らのミスが生まれる。ファビアンへの初球。146キロのストレートがホームべースの手前でワンバウンドとなり、体でブロックしようとした岸田も止めきれずに後逸。勝ち越しを許した。岸田が前に落とさねばならない暴投だった。スプリットなど落ちる変化球なら岸田にも準備はあったのだろうが、ストレートがそんなワンバウンドになるとは予期していなかったのかもしれない。