
「井上尚弥は事実として私から逃げていた」9・14名古屋でモンスターに挑む”最強挑戦者”アフマダリエフが公開練習で豪語「総合力で私が上」「弱点は伝わっている」
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)に9月14日に名古屋で挑むWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(30、ウズベキスタン)が1日、横浜の大橋ジムで公開練習を行った。ミット打ちでは、元リオ五輪銅メダリストのトップアマらしい基本やバランス、そしてパワーをアピ―ル。「井上が私から逃げて避けてきたのは事実」「総合力は私が上」「歴史を作る」などと豪語した。以下が主な一問一答。
「井上に勝ち、歴史を作るために来た」
ーー8月24日に来日後の調整具合は?
「調子はいい。(早め来日は)時差調整が一番の目的だったが、それは解消した。日本が好きで日本の人々が好きだと言っておきたい」
――日本文化と触れる機会はあったか?
「日本には井上に勝つために来た。歴史を作るために来た。今は調整している。試合が終われば山とか自然を見に行きたい」
――井上戦の展開やプランは?
「プランはあって、チームで何をすべきか、何をやらないかはあるが、言わないでおく。当日見に来てもらえればいい」
――井上は昨年5月のネリ戦、今年5月のカルデナス戦で過去に2度ダウンを喫している。やはり打ち終わりを狙っていくのか。
「そこを弱点と捉えていい。攻略はできる。それ(攻略法)も伝わっている。だが、それだけじゃなく、リング上でこちらがどう出るか。それを重点に調整している」
――カルデナス戦の印象は?
「とてもいい試合だった。カルデナスにはいいパンチがあったが、試合を止められた(レフェリーストップによるTKO負け)。止められなかったがどうなったのか?とも思うが、両選手がベストを尽くしたいい試合だった」
ーーカルデナスのトレーナーとあなたのトレーナーは同じジョエル・ディアス氏。彼はまだ来日せず、今ついているのは、弟のアントニオ・ディアス氏だが、そのジョエル・ディアス氏からのアドバイスは?
「アントニオとは7、8年チームを組んでいて、彼は私のことをよく知っている。ジョエルは、戦略まではいかないが、ある程度、頭脳(戦術)を担当することもある。みんなが私をサポートしている」
――あなたが井上を上回っている点は?
「ボクシングには、パンチ力、技術、耐久力、考える力が必要だが、私はそれを総合的に持っている。総合力で優れているということだ」
ーーマネージャーのマキシム・ミハイロ氏はその点をどう思うか?
「スキルはアマ時代から際だっていた。パワーも実際に体験すればわかるだろう」
ーーあなたは過去に「井上はオレとの対戦を逃げている」と発言を続けてきた。今でもそう思うのか?
「彼は逃げていた。オレを避けていたのは事実だ。チームなのか、個人のなのかはわからないが、2年間、ノビノビになっていた。私との対決を避けていた。いまとしては、ようやく対戦ができて嬉しいが」
井上陣営がWBAの指名試合指令を受け付けずアフマダリエフとの対戦より他のカードを優先した理由は、マーロン・タパレス(フィリピン)に判定負けをして、タイトルを失っていて対戦価値を認めなかったためだ。決して逃げていたわけではない。5月のラスベガス決戦時には。当初予定されていたWBC1位のアラン・ピカソ(メキシコ)の陣営が怖気づいて辞退したため、井上自身は「アフマダリエフとできないか?」と大橋会長に訴えていたほど。