
急転!那須川天心vs井上拓真のWBC世界バンタム級王座決定戦が11月に実現へ…ファン垂涎の超ビッグカードの交渉が最終段階
天心は、キックから無敗のままボクシングに転向して6戦目となる今年2月に元 WBO世界バンタム級王者のジェイソン・モロニー(豪州)に判定勝利して、一気に評価がアップして指名挑戦権を得るWBCの1位に急浮上。世界前哨戦と銘打った6月の前戦では、ビクトル・サンティリャン(ドミニカ)を倒せなかったがポイントで圧倒しWBAでも1位となっていた。
一方の井上は、2023年4月にWBA世界バンタム級王座決定戦でリボリオ・ソリス(ベネズエラ)と対戦し、12回判定勝ちを収めて王座を獲得、2024年2月の初防衛戦で元IBF世界スーパーフライ級王者のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)を激闘の末、9回KOで下した。同5月には東京ドームで同級1位の石田匠を判定で下したが、同10月に堤聖也(角海老宝石)に判定で敗れて王座から陥落した。
今年5月に堤が左目の手術で休養王者となり、WBAは井上に暫定王者から正規王者に繰り上がったアントニオ・バルガス(米国)との対戦を指令したが、堤戦で負傷した怪我の影響があり辞退していた。ちなみにバルガスは、堤のV1戦で引き分けた比嘉大吾(志成)と対戦してダウンを奪われながらも王座を守っている。
3月の年間表彰式でメディア対応した際に井上は、「やりきれたかと言えば、まだまだやりきれていない。ここで辞めたら悔いが残る。ここからは悔いなくやっていこうかなと。1か月くらい考えて決断しました」と、堤に敗れた後に一時は引退に心が揺れたことを明かした上で、「(堤への)リベンジはもちろん、そこをしっかりやっていきたい」と堤との再戦を希望していた。
だが、堤が休養王者となったことで堤との再戦はバルガスとの王座統一戦が終わるまで待たねばならないため、世界タイトルの奪還へ路線を変更していた。約1年1か月ぶりの再起戦が、いきなり世界戦となる“ブランク”への不安は残るが、井上にとっても天心との対戦は、堤との再戦以上にモチベーションが上がるビッグカードだろう。
まだ実現への不確定要素は残っているが、最終的に交渉が合意に達すればこのWBC世界バンタム級王座決定戦は、11月に関東圏内の会場で、Amazonの「プライムビデオボクシング14」として開催される方向。交渉が問題なく進んだ場合、早ければ今月下旬にも正式発表される見込みだ。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)