
「レッドブルの考え方に変化」角田裕毅の来季残留可能性が今日5日開幕のイタリアGPを前に急浮上…「進歩と自信を持ち込む」と本人は前向きに豪語
F1の今季第16戦となるイタリアGPが今日5日、同国北部のモンツァ・サーキットで開幕する。前戦のオランダGPで9位に入賞し、8戦ぶりにポイントを獲得したレッドブルの角田裕毅(25)が前日会見に臨み、F1昇格後の過去4年間で完走が1度、それも14位と苦手とするコースへ「再び戦いの渦中に戻れた。その自信を持ち込む」と2戦連続の入賞へ意気込みを見せた。来季の去就に注目が集まる角田に対して、英国のF1専門メディア『F1 OVERSTEER』は「レッドブル内部で考え方に変化が起きている」と指摘。さらに「それが角田の来季残留を後押しする可能性がある」と報じた。
ハジャー昇格内定説まで飛び交う中で
レッドブル残留か、あるいは契約満了に伴う退団か。来季の去就が大きな注目を集めている角田が、イタリアGPの前日会見に臨んだ。
英国のF1専門メディア『F1 OVERSTEER』によると角田は「自信」という言葉を使って意気込みを語った。
「先週末のザントフォールトでポイントを獲得できたことは正しい方向への大きな一歩であり、再び戦いの渦中に戻れたことは素晴らしい気分でした。その自信をモンツァに持ち込んでいます。モンツァは間違いなく僕にとってホームレースのような感覚です。モンツァはカレンダー上のクラシックサーキットのひとつであり、すべてのドライバーが楽しみにしているコースでもある。僕たちはレースごとに進歩を遂げており、マシンとパフォーマンスの向上に向けて努力を続けている。ヨーロッパでのレースを締めくくる一戦を、前向きな形で締めくくりたい」
前戦のオランダGPでは12番グリッドからのスタートにもかかわらず9位入賞を果たし、10位だった第7戦のエミリア・ロマーニャGP以来、8戦ぶりにポイントを獲得した。
だが、一方で英国の別のF1専門メディア『GP BLOG』によると角田は今季第3戦の日本GP前に姉妹チームのレーシングブルズから緊急昇格を果たしたもののここまで苦戦が続いている心境も明かした。
「シーズン途中での移籍は決して容易ではないし、レッドブルチーム内でも多くの変化がありました。そのなかで僕は毎レースで全力を尽くしてきた。確かに最初の数戦は結果に表れなかったかもしれないけど、特にここ数戦は確実に差が縮まっていると実感できた。特にザントフォールトはすべてをまとめられたレースだったと思うし、ポイントも獲得できたなかで、進歩という点ではこれまでで最高の週末のひとつでした」
注目の去就に関しては、サマーブレイク中にチームと角田の間で残りレースの結果と内容で決定することで合意した。チームのモータースポーツアドバイザーを務める重鎮、ヘルムート・マルコ氏(82、オーストリア)が「9月か10月頃には」と明言した中で、その”査定レース”の初戦となるオランダGPで角田は9位入賞を果たしたわけだが、ライバルとされるレーシングブルズのアイザック・ハジャー(20、フランス)が3位表彰台の快挙を成し遂げて、来季昇格の最有力候補としての立場をより強くした。すでにハジャーの来季昇格が内定したとする報道さえも飛び交っている。
しかし、ここにきて意外な“追い風”が吹いた。
前出の『F1 OVERSTEER』は「レッドブルの考え方の変化が、角田のF1キャリアにおいて最大の追い風になるかもしれない」とする記事を公開。マルコ氏に生じた「考え方の変化」が、角田の来季残留につながる可能性があることを指摘した。
同メディアは米国のスポーツ専門局『ESPN』のF1担当記者、ネイト・サンダース氏が『アンラップド・ポッドキャスト』で語ったレッドブルのドライバー決定プロセスの変化を引用する形で次のように伝えている。