• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • 今日ゴング!「ボクシングはボディビルじゃない」井上尚弥は衝撃的“ムキムキの肉体”を披露した最強挑戦者に勝てるのか…前夜にアフマダリエフが元世界王者にかけてきたテレビ電話
計量をパスした井上尚弥とアフマダリエフ(写真・山口裕朗)
計量をパスした井上尚弥とアフマダリエフ(写真・山口裕朗)

今日ゴング!「ボクシングはボディビルじゃない」井上尚弥は衝撃的“ムキムキの肉体”を披露した最強挑戦者に勝てるのか…前夜にアフマダリエフが元世界王者にかけてきたテレビ電話

 プロボクシングのスーバーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)と挑戦者のWBA世界同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(30、ウズベキスタン)が13日、試合会場である名古屋のIGアリーナで1492人のファン公開で前日計量を行い井上は、55.2キロ、アフマダリエフは55.0キロで、共にリミットの55.34キロを下回って一発でパスした。会場に衝撃を与えたのは挑戦者のビルドアップされた肉体。前夜には、4年前に対戦した元IBF世界同級王者の岩佐亮佑(35)にテレビ電話をかけてきて自信のほどを伝えた。一方の井上も「久々ですね、この感じは。フルトン戦、ネリ戦、あるいはそれ以上」との手応えを口にした。果たしてモンスターは最強挑戦者に勝てるのか。

「久々ですね、この感じは。フルトン戦、ネリ戦、それ以上

 名古屋のIGアリーナのサブアリーナは異様な熱気に包まれていた。日本で初めての試みとして行われた公開での前日計量。当日券は5500円で決して安くはなかったが、会場は9割方埋まり、1492人ものファンが詰めかけていた。
「凄かったですよね。最初に聞いたときは、どうなることやらと(思っていたが)思った以上に来てくれて盛り上がりましたよね。いつもと段違いですね」
 テンションの上がった井上は、計量器に乗る前に黒いTシャツを脱ぐと、以前、大橋会長から「肩を痛めたら心配なのでやっちゃダメ」と止められていた禁を破って客席に向かって投げつけた。ちなみにTシャツは関係者エリアに落ち、なんとアフマダリエフ陣営のスタッフと思われる人物がゲットしている。
 井上は約140グラムアンダーでクリア。その肉体は惚れ惚れするほど美しかった。ただスーパーバンタム級に上がってからは、過酷な減量からは解放されていたはずが、バンタム級時代のように目がくぼみ、頬がこけていた。
 今回はかつて井上と拳を合わせた元WBA&IBF王者のマーロン・タパレス(フィリピン)を招き、帝拳のOPBF東洋太平洋フェザー級王者でWBC世界同級5位の中野幹士ら4人の次期世界王者候補らとスパーリングを行ってきた。帝拳に13年ぶりの出稽古まで敢行。大橋会長が「強くなるか、怪我するかのギリギリ」というほど内容の濃いスパーを約120ラウンド消化した。レベルの高い相手と減量を進めた状況で対峙することには怪我のリスクがあるため、必然、ギリギリまで体重はキープ。体が強靭となった反面、厳しい減量を余儀なくされることになったのだろう。
 続いてアフマダリエフが秤に上がると会場に衝撃を与えた。
 ビルドアップされた凄まじい肉体だった。しかも340グラムアンダー。
 マッスルポーズを取り、まるでボディビルダーのように、力こぶが盛り上がった二頭筋をアピール。シャドーボクシングまでやった。
 9月1日の公開練習時にとてもスーパーバンタム級とは思えないでかい体で現れ、関係者に「落とせるのか」の声が広がり、実際、体重超過した場合に備えてリザーブファイターとして前日本同級王者の下町俊貴(グリーンツダ)が用意された。アフマダリエフの陣営も、心配だったのか、わざわざ、この日の朝に計量器のあるホテルにまで、事前計量にきたが、54.9キロだったという。
「今回の減量は無理をしていない。今日朝食を食べ水も飲んだ、厳しく落としたとか(アンダーを)狙ったわけではなく、普通に落としたのが今日の体重」
 しかも「水抜きもしなかった」という。
 “水抜き”とは計量前日に半身浴などで大量に汗を出して一気に3キロ以上を落とす減量方法。
「井上選手もいい準備をしてきたんじゃないですか。そんな感じに見える。私も100%仕上がっている。2人ともいいコンディションだと思う」
 一方の井上もその最強挑戦者の肉体を見て「仕上がっていますよね。リカバリーして(当日は)だいぶでかくなる。楽しみですね。昨日、今日の感じを見ていると大幅な水抜きしていないと思う」と冷静に分析していた。
 水抜き減量をしていなければ、アフマダリエフの当日体重はそこまで増加しないだろう。

 

関連記事一覧