
「まるでファウルにしたようなスイングだったのに」大谷翔平のカーショーへの惜別の逆転52号3ランに敵将が唖然…被弾したサイヤング賞左腕も「あれはいいボールだったんだ」
ドジャースの大谷翔平(31)が19日(日本時間20日)、本拠地でのジャイアンツ戦に「1番・DH」で先発出場し、1点を追う5回二死一、二塁で、逆方向へ値千金の逆転の52号3ラン、今季限りで引退するクレイトン・カーショー(37)の本拠地ラスト登板に最高の惜別弾を贈った。チームは6ー3で勝ち、13年連続のポストシーズン進出を決め、カーショーは、大谷の一打に「インクレディブル(信じられない)」と感激。一方でジャイアンツのボブ・メルビン監督(63)を「まるでファウルにしたようなスイングだったのに」と唖然とさせた。
「カーショーの記念すべき日にしっかりと勝ちで終われたのは大きい」
今季限りの引退を電撃発表した“レジェンド”のラスト登板を黒星で終わらせるわけにはいかない。大谷のバットにドジャースナインとファンの気持ちが乗り移った。カーショーは4回まで2失点で踏ん張るも、ドジャース打線は、サイヤング賞の左腕ロビー・レイを攻略できず1-2のスコアのたまま、5回の先頭、3番のラファエル・デバースを見逃しの三振に打ち取ったところでマウンドを降りていた。
その裏の二死一、二塁。大谷はカウント2-2からアウトハイに投じられた95.5マイル(約154キロ)のストレートに逆らわずにポーンとバットを合わせた。打球は逆方向のレフトポール際に向かい、キレることなくスタンドに飛び込んだ。
大谷が、試合後に中継したNHKのインタビューに答えて「打った瞬間にいくと思った。その前の打席もしっかりといい捉え方をしていたので自信を持って打席に入れた。何とかバットに当ててうまくフィールド内に収めたいと思っていた。いいコースだったが、ファウルにならずしっかりと打ち切れたので良かった」と、自画自賛した起死回生の逆転3ラン。
打球の行方を見守りながら、バットを放り投げた大谷は、一塁を回るときに掲げた右手をずっと上げたままだった。さらに続くムーキー・ベッツにも一発が飛び出し、そこでダグアウトに出てきたカーショーと大谷は抱擁をかわした。
「勝てたのでホッとしているのと、カーショーの記念すべき日にしっかりと勝ちで終われたのは大きい」
大谷のカーショーへの思いを込めた惜別弾。
大谷は球団を通じて改めてカーショーへ英文の惜別メッセージを発表している。
「常にプロフェッショナルに野球に取り組んできた姿勢を見て尊敬の念を持ってきた。その成功は野球への献身と努力の証。長年、ライバルとして戦ってきて、今はワールドチャンピオンチームのチームメイトとして戦えていることは本当に光栄だ」