
「ユウキには価値がある。あと数戦様子を見る」角田裕毅“逆襲6位”でメキース代表が来季残留の可能性が残っていることを示唆…本人は「キレやすい自分からの成長」に手応え
角田もアゼルバイジャンGPで、ここからの逆襲に手応えをつかんだ。
英専門サイト「PLANET F1」は、角田が今回のレースで「過去のキレやすい自分からの成長」を感じたことにフォーカスした。
角田は、レッドブルの姉妹チームで走っていたこれまでの4年間で、無線で度々、キレた発言を残して、レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコ氏にそれを批判されてきた。
同サイトはマルコ氏の当時の角田批判のコメントを再現した。
「そんな発言はチームの助けにはならないのに彼は何も気にしていない。とても感情的だ。コーナーの最中に罵声を浴びせるなんて良くない。我々はそれをやめるように説明した。エンジニアに『クソったれのクルマだ』なんてフィードバックをしても意味がない。我々はクルマが正確にどう動いているのかを知る必要がある。彼はそれを分析して事実に基づいて言わなければならない」
今回のアゼルバイジャンGPで、DRSトレインが続き、5位のレーシングブルズのリアム・ローソンを追いかけている時に、角田はチームから「ペースを上げろ」と無線で指示を受けた。だが、かつてのように「やってるよ!」と苛立って叫ぶのではなく、冷静に「分かっている」とチームに伝えたという。
同サイトは「DAZN」のインタビューでの角田の説明をこう紹介した。
「4年前だったら無線で大声で『やってるよ!』と言っていただろうね。でも、今はその性格面で成長できた。冷静さを保ち、少しずつコーナーで差を詰めていけた。もうこれ以上は改善できないと思っていたけど、少しずつ積み重ねることができた。discipline(規律)の面では4年前と比べて成長できたと思う」
角田はそう自己分析したという。
同サイトは、「この点は、レッドブルが過去に角田を昇格させることをためらっていた理由のひとつとも言われているために重要だ」と、来季の残留を勝ち取るためのカギになるという見方を示した。
さらに角田は、「ペースは良かったし、ほかの週末とは違っていた。FP2(フリー走行2回目)の時点で手応えを感じていたし、チームも大きなサポートをしてくれた。ロングランを改善できるようにマシンを変更し、その成果が最終的な結果に表れた。もちろん、まだ自分が目指す場所には届いていないけど、毎レース少しずつ前進できている」と、レースを振り返ったという。
角田は20ポイントとなりドライバーズランキングで17位に浮上している。
次戦は10月3日開幕のシンガポールGP。ここで続けて上位入賞を果たせば、大逆転の残留がいよいよ現実化するかもしれない。