
平岡アンディが33年ぶり4人目の歴史的偉業に挑む…「快挙を成し遂げたい」11.14米国マイアミでガーボンダvsポール異色マッチの“セミセミ”でWBA世界Sライト級王者ラッセルに挑戦
プロボクシングのWBA世界スーパーライト級1位の平岡アンディ(29、大橋)が11月14日(日本時間15日)に米国マイアミで同級王者のゲイリー・アントアン・ラッセル(29、米国)に挑む世界戦の会見が26日、都内で行われ、平岡が「快挙を成し遂げたい」と意気込みを語った。スーパーライト級の日本人世界王者は過去3人で平岡が世界奪取に成功すれば、1992年にメキシコで王座を獲得した平仲明信氏以来33年ぶりとなる。同興行のメインはWBA世界ライト級王者のガーボンダ“タンク”デービス(30、米国)対ユーチューバーボクサーのジェイク・ポール(28、米国)の30キロ以上の体重差のある異色のエキシビションマッチで、米大手配信会社「ネットフリックス」で日本を含む世界各国に配信され、勝てば一気に世界的な知名度を獲得できる可能性がある。
過去王者は藤猛氏、浜田剛史氏、平仲明信氏の3人
また一人サムライが歴史的な偉業へ挑む。
大橋ジムの平岡アンディだ。道に迷い会見に遅刻。申し訳なさそうに関係者に謝る姿に、誠実な人柄があふれ出ている。筆者も好きなボクサーの一人だ。紆余曲折してWBA王者ラッセルへの挑戦が実現した。
「大橋ジムで多くの世界王者がいる中でトレーニングさせていただき、メンタルもフィジカルもすべて強くなって良いタイミングで世界戦が決まったと思う。強い相手だと思うがしっかりと勝ちたい」
平岡は昨年9月にWBA世界同級暫定王者だったイスマエル・バロッソ(ベネズエラ)に9回TKO勝ちして王者への指名挑戦権を獲得した。正規王者のホセ・バレンズエラ(米国)と「やる予定」でいて陣営も交渉をスタートしたが難航。今年3月にバレンズエラがラッセルに判定負けして王座から陥落した。統一戦を狙うラッセルがスーパー王者に昇格する話が浮上したため、正規王座の決定戦への出場を狙い、6月の佐々木尽(八王子中屋)とWBO世界ウェルター級王者、ブライアン・ノーマン(米国)との世界戦にダブルでセットする構想を進めていた。だが、ラッセルのスーパー王者への昇格話が棚上げとなり、世界戦計画も宙に浮き、米国へ乗り込んでの世界初挑戦が実現することになった。
結果的に平岡は1年のブランクを作ることになったが、「絶対にできると大橋会長のことを信じていた。息抜きもしながら、気持ちを落とすことなくトレーニングができていた」と、モチベーションを維持させていたという。
スーパーライト級は日本人にとっては高き壁だ。過去に世界王者となったのは「ハンマーパンチ」「大和魂」で有名になった藤猛氏、帝拳の代表で、連続KO記録を持つ浜田剛史氏、そして敵地のメキシコで倒して勝った平仲氏の3人だけ。いずれも共通点はハードパンチャーであること。そういう意味で変幻自在のアウトボクサーである平岡がタイトルを獲得すれば異色となる。
「33年ぶりを意識はしていないが頭の片隅にはあった。快挙を成し遂げたい」
平岡には歴史の扉をこじあけたいとの思いがある。