
「7回かクローザーか」佐々木朗希の2度目リリーフ成功でロバーツ監督を悩ますポストシーズンのブルペン起用問題…「まだわからない。決断は難しい」
ロバーツ監督は、この日は7人の投手をテストした。
今季12試合に先発し6勝3敗、防御率2.82の成績を残したシーハンは1イニングで下げた。一死二塁からフリオ・ロドリゲスのレフトライナーをマイケル・コンフォートが目測を誤ってグローブの先に当てて後逸するエラーで、1点を失うも、その後を連続三振で切り抜けた。
ポストシーズンの先発は、山本由伸、タイラー・グラスノー、ブレイク・スネル、大谷翔平の4枚で足りるため、シーハンはブルペンに回ることになる。
「すでにポストシーズン進出を決めているので、その先を見据えて投手陣をどう整えるかを考えている。エメット(シーハン)をどう使えばワイルドカードシリーズの戦力になるのかを検討した。その最善の手段が短いイニングに限定することだった。火曜日(ワイルドカードシリーズ)からはブルペンでスタートする」
ロバーツ監督はそう明言した。
今季限りで引退するクレイトン・カーショーも2日前のダイヤモンドバックス戦で、6年ぶりのリリーフ登板に成功。ポストシーズンではブルペンに加わることが決定している。
彼もまたクローザー候補だろう。
本来のストッパーは今季チームトップの23セーブをマークしているタナー・スコットだ。だが、今季は10度も救援に失敗するなど信頼感に欠ける。
この日、ロバーツ監督は、1点リードの9回のセーブシチュエーションにスコットを登板させた。スコットは二死からローリーに二塁打を浴び、ロドリゲスを申告敬遠をした後に、なんとミッチ・ガーバーに死球をぶつけて満塁にしてしまったのだ。
キケ・ヘルナンデス、ミゲル・ロハスがマウンドに集まり、何やらスコットに話しかけて、気持ちを落ち着かせていた。スコットは、続くユジニオ・スアレスをスライダーで空振りの三振に仕留めてサヨナラのピンチを脱してゲームをクローズした。
まだ不安が残る内容だったが、ロバーツ監督は「タナーは死球があったが、ボール自体は良かった。必要な場面でしっかりと投げ切った。ポストシーズンで最高の投球を見せれば、これまでのこと(度重なる救援失敗)を帳消しにできる可能性がある」と期待を寄せた。
それでもポストシーズンは、ロバーツ監督いわく「どの場面も重要な局面となる」という失敗の許されない戦い。ワイルドカードシリーズは、2勝先勝の3戦方式で、一度でもスコットが救援に失敗すれば、ポストシーズンでのクローザーからは外されるだろう。
その場合、佐々木がクローザーに昇格する可能性もゼロとは言えない。ひょっとすると佐々木が胴上げ投手になっているのかもしれない。