
「登板の負担など総合的な判断」なぜロバーツ監督は大谷翔平をレッズとのワイルドカードS“開幕投手”に指名しなかったのか…第3戦に温存した裏に見える世界一連覇戦略
今季14試合あった登板日の打撃成績は打率.222、4本塁打で、22三振。今季は登板翌日にはオフデーになるように工夫されていて連日のゲーム出場となったのは8試合だが、その場合の打撃成績は、打率.118、2本塁打、12三振ともろに影響を受けている。
ロバーツ監督が、今季打率.282、55本塁打、102打点の大谷の打者としての能力を最大に引き出そうと1、2戦の登板を回避して第3戦に温存したのも当然の戦略だったのかもしれない。第3戦の先発であれば、ディビジョンシリーズのスタートまで1日のオフデーがあるため、大谷は疲労回復することができる。
そして何より大谷が、リアル二刀流で先発することなく1、2戦の連勝でワイルドカードシリーズを勝ち抜けば、東地区優勝のフィリーズとのディビジョンシリーズに向けて、大谷に休養を十分に与えることができる。
「2戦で終えれば次のシリーズに向けて大谷に休養を与えることになるからか?」
そうも質問されたロバーツ監督は「それも大きな要因だった。間違いない」とハッキリと答えた。つまり、ここから約1か月続く、世界一連覇へ向けてのポストシーズンを勝ち抜くための戦略として、大谷の1、2戦の先発回避が決められたのだ。
西地区で優勝したものの勝率でフィリーズとブリュワーズを上回れなかったドジャースは、ワイルドカードシリーズからのスタートを余儀なくされた。世界一へなるためには、13試合が必要で、いかに大谷のコンディションを維持するかが焦点となるからだ。
レギュラーシーズンの最終戦を自己最多となる特大の55号を含む、サイクル安打王手の3安打で終えた大谷は、「ポストシーズンのためのいい感覚を持って終わりたいと思っていた。その意味では3つヒットを打って、いい感覚でポストシーズンを迎えられる。最後の最後までチーム一丸となって戦いたい。シアトルの3戦も素晴らしい内容で終わっているので、この勢いをポストシーズンにもぶつけたい」とコメントしていた。
ドジャースのレギュラーシーズンでの対レッズ戦の成績は5勝1敗。米メディアの予想も圧倒的にドジャース有利だが、短期決戦で最も重要な初戦のプレーボールは、日本時間今日1日の午前10時08分に予定されている。