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阪神を戦力外になった高山と渡邊が来季からNPBの2軍に新規参入する新潟アルビレックスから獲得オファーを受けた(写真・黒田史夫)
阪神を戦力外になった高山と渡邊が来季からNPBの2軍に新規参入する新潟アルビレックスから獲得オファーを受けた(写真・黒田史夫)

阪神“戦力外”の高山俊と渡邉雄大にNPB2軍に新規参入内定の新潟アルビレックスが獲得オファー…来季途中にNPB復帰の新しい道を切り拓く

 来季からイースタンリーグへの新規参入が内定しているオイシックス新潟アルビレックスBCが、阪神を戦力外になった高山俊外野手(30)、渡邉雄大投手(32)に獲得オファーを行ったことが19日までに明らかになった。高山は15日に千葉の鎌ケ谷スタジアムで開催された12球団合同トライアウトに参加し、右中間二塁打、右前ヒットを放ち、渡邉も打者3人と対戦して2三振を奪うなどの結果を残してアピールに成功していた。ただ両選手共にNPB復帰を目指しているため返答は保留。その可能性が消えた場合に新潟入りを検討する形になるという。

 

 阪神を戦力外になった男たちに再チャンスの可能性が開けてきた。15日のトライアウトを視察したオイシックス新潟アルビレックスBC(以下新潟)が高山と渡邉に水面下で獲得オファーを行ったのだ。
 来季からイースタンリーグに新規参入することが内定している新潟は、外国人を含めてNPBの戦力外の選手を10人前後獲得する予定で、巨人、楽天、西武などで参謀を務めた橋上秀樹監督、チーム強化アドバイザー兼投手コーチで元巨人の野間口貴彦氏、新しく投手コーチに就任した元日ハムの武田勝氏らが、鎌ケ谷スタジアムのネット裏に陣取った。事前に今季のデータや映像などをもとに獲得候補リストを作成。トライアウトは最終チェックの場となった。
 阪神、巨人など人気チームの名の通った目玉選手、地元出身の選手はマークしていたが、高山と渡邉の2人は、想像以上の内容を見せてくれた。
 高山は第1打席にソフトバンクの左腕、岡本直也(27)のインコースへのストレートをコンパクトに腕をたたんで捉えて右中間を破る二塁打。広島の2017年の最高勝率投手の薮田和樹(31)と対戦した第2打席はスプリットに手を出して三振したが、第3打席にも元ヤクルトの山川晃司(27)がインハイへ投じたストレートを引っ張って一、二塁間を破るヒット。
 さらに「初めての投手だったがクイックも早くなかったので変化球カウントを狙って」盗塁も決めて、走力も相手の隙を逃さない姿勢もアピールした。
「失うものは何もない。挑む前から、結果どうこうより、自分の持っているものを全力で泥くさく出そうと思っていた。そこは出せたのでよかった。ピッチャーと対戦するのは久しぶりなのでミスショット、ファウルも多かったが、甘いボールはしっかり振れた」
 7打席立ってマルチヒットを放った高山も満足そうだった。
 新潟の関係者も「参加した野手の中で一人だけ、そのバッティングは群を抜いていた」と、その打撃技術を高く評価した。
 入場券が完売となった観客席からの拍手や歓声が一番多く、ヒッティングマーチまで大声で歌っているファンもいた。改めて人気の高さに驚かされたという。
 高山は、日大三高―明治大を経て2015年のドラフトで阪神とヤクルトから1位指名を受け、抽選の末、交渉権を獲得した阪神に入団。新人とは思えぬバットコントロールでルーキーイヤーに球団の新人の最多安打記録を更新する136安打をマーク。打率.275、8本塁打、65打点の成績を残し新人王に輝いた。だが、入団3年目から打撃が狂いはじめて、徐々に出場機会が減り、昨年オフには、現役ドラフトの候補となっていた。だが、新監督に就任した岡田監督が、そのリストから外させて再起に期待をかけたが、オープン戦で結果を残せずに開幕1軍を逃し、今季は一度も1軍昇格機会はなく、オフに戦力外通告を受けた。2軍では打率.249、9本塁打、37打点の成績だった。

 

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