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新庄采配が裏目に出て日ハムが0勝3敗の崖っぷち(資料写真・黒田史夫)
新庄采配が裏目に出て日ハムが0勝3敗の崖っぷち(資料写真・黒田史夫)

「どれも正解でどれも不正解なのが新庄采配」日ハム新庄監督の「福島続投」と「郡司に代打を送らず」の采配が裏目に出てソフトバンクに0勝3敗の崖っぷち

 パ・リーグのクライマックスシリーズのファイナルステージ第2戦が16日、みずほPayPayドームで行われ、ソフトバンクが日ハムに3-0で勝利し、アドバンテージの1勝を含めて3勝0敗で王手をかけた。日ハムの新庄剛志監督(53)はキャリア最多の球数を投げていた先発の福島蓮(22)を8回に続投させたが、守備の乱れもあってそれが裏目に出て、一死一、二塁で代わった上原健太(31)が柳田悠岐(37)に決勝3ランを浴びた。

 ギータは「もう打つしかないと」

 新庄監督の決断は裏目に出た。
 7回まで無失点の好投を続けていた先発の福島は、8回先頭の山川にカーブを捉えられ、強い打球がサードを強襲し、途中出場の細川はグラブに当てたが大きく後ろへ弾いた。記録はヒットとなったが、捕球せねばならない打球だった。海野がバントが送り、小久保監督は前夜のヒーローの一人である野村に代打川瀬を送ってきた。
 だが、福島は四球で歩かせてしまう。球数は125球。限界と感じた新庄監督は、ベンチを出て柳田に左腕の上原をぶつけた。
 だが、カウント1-1からの3球目。外角低めを狙ったストレートが真ん中に浮いた1球を逆方向へ持っていかれた。
「もうチャンスやったんで、もう打つしかないと。ここで打ったらお立ち台で皆さんに『初めまして』とあいさつできると思って、必死こいて打ちました。ちょっと詰まったけど、外野手が前に来てたんで、超えるやろうなと。すごいうれしかったです」
 これで勝負あり。
 新庄監督はベンチで「うんうん」とうなづいていた。
「打たれた上原君より打った柳田君が素晴らしいってことだけ。しかも逆方向にね。完璧でしたね」
 スポーツ各紙の報道によると、試合後の新庄監督は、上原をかばい、柳田を称えた。
 7回が終わった時点で福島の球数は、今季どころかキャリア最多の116球だったが、新庄監督は、わざわざ福島に近寄り「いくよ」と声をかけた。交代も考えたとも言うが、7回が三者連続三振。その内容を見て、続投を「一番いい」選択肢だと判断したという。
 前日の第1戦では、無失点好投の達を6回93球でスパっと代えた直後に2番手の田中が野村に一発を浴びた。そしてこの日は、逆に引っ張って失敗。新庄采配は裏目、裏目と空回りしている。
 パの野球に詳しい阪神、ヤクルト、ダイエー(現ソフトバンク)OBの評論家、池田親興氏は、「采配なので我々が結果論で、とやかく言う問題ではないが、回の頭から交代させていれば、また違った流れになったのかな」と疑問を投げかけた。
「福島の続投か、回の頭から交代か、さらに8回を最後まで投げさせるか。3つの選択肢があったと思う。福島にソフトバンク打線はまったく合っていなかった。しかも7回の内容が良かっただけに続投の選択は理解できる。日ハムはレギュラーシーズンでの完投が両リーグ最多の23もあり、我慢して引っ張り結果につなげてきた。だが、福島は今季最多の球数で、初のCS登板という緊張感の中での投球。そのあたりの影響を配慮すべきだったのかも」
 八戸西高から2021年の育成ドラフト1位で入団した福島は、昨年支配下登録されて2勝をマーク、今季は7月からローテー入りして5勝0敗の“不敗神話”を作った高卒4年目の1m90の右腕だ。

 

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