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阪神2年目の左腕である桐敷が巨人戦で7回10奪三振1失点の好投を見せ念願のプロ初勝利(資料写真・黒田史夫)
阪神2年目の左腕である桐敷が巨人戦で7回10奪三振1失点の好投を見せ念願のプロ初勝利(資料写真・黒田史夫)

TG戦の明暗を分けた指揮官の采配攻防…プロ初勝利の桐敷を続投させた岡田監督の“慧眼”と好投の横川を交代させた原監督の“裏目”

 阪神が26日、甲子園で行われた巨人戦に2-1で逆転勝利、連勝を6に伸ばした。貯金は15に増え破竹の勢いだ。2年目の桐敷拓真(23)が7回を毎回の10奪三振の5安打1失点でプロ初勝利。岡田彰布監督(65)が、桐敷を続投させた結果だが、対照的に原辰徳監督(64)は無失点の横川凱(22)を6回で下げて継投策を選択、その采配は裏目に出た。両監督の采配の攻防が1点差ゲームの明暗を分けた。

 「たぶんあそこで代わるだろうと」

 

 その采配を岡田監督は読んでいた。
 0-1で迎えた7回。原監督は、ここまで3安打無失点の好投を続けていた横川を勝ち投手の権利を持ったまま交代させ、電撃トレードでオリックスから獲得し3試合で2H無失点の鈴木にスイッチした。まだ横川の球数は80球だったが、岡田監督は、球数ではなく球威の落ちと、原監督のベンチ内の雰囲気から、「たぶんあそこで代わるだろうと思っていた。まだ3イニングあったのでチャンスがある」と読み取っていた。
 一死となって大山が3-0から内角に抜けたボールを左肩にぶつけられた。甲子園に怒声が飛び交う。佐藤が流し打ちでつなぎ、「絶対決めるという強い気持ちで打席に入った」というルーキーの森下が、初球の外角へのスライダーを強引に引っ張った。打球はレフト前へ。二塁走者の大山は迷わず三塁を回り、同点のホームを駆け抜ける。続く梅野も150キロの外角低めのストレートに食らいつき、打球は坂本の左を抜けていった。
 満塁となって原監督は、自らマウンドへ行き、鈴木の肩を叩いてねぎらい、坂本と何やら会話を交わした。打率.317の木浪を迎え、交代を告げたのは、変則左腕の高梨。
 木浪は、遠くに感じるであろう外角のスライダ―をなんとかバットに乗せた。打球はレフトへ。ほぼ定位置の判断が難しいフライだったが、三塁走者の佐藤はタッチアップ。秋広ー坂本と中継された送球よりも早くホームへ滑り込み、一気に勝ち越しを決めた。
 原監督は、今季の横川に6回以上を投げさせていない。球数も最多で94球。それが現時点での育成方針なのかもしれないが、この日は、まだ80球。もう先発7試合目であることと、右手をヒラヒラと動かして、1m90の長身から投げ下ろしてくる横川に阪神の各打者がタイミングを合わせることに苦労していたことを考慮すると、続投の選択の方が、猛虎打線にとっては厄介だったのかもしれない。原監督にしてみれば、鈴木で“7回の男”を確立したかったのかもしれないが、その采配は裏目に出た。
 対照的に岡田監督は、1点を追う6回無死一塁のチャンスで桐敷に代打を送らなかった。昨年の7月7日以来の1軍の先発で、しかも「初回から思いっきり行く」と序盤から140キロ台後半の威力のあるストレートを軸に飛ばしていた。本来なら桐敷こそ6回で降板させてもおかしくなかったが、岡田監督は、1失点好投の桐敷にプロ初勝利をつけさせたいという“親心”と、「100球いっても大丈夫」というタフさを計算して「同点なら8回もいかせるつもりだった」という。
 桐敷は、岡田監督が、当初、青柳、伊藤将、西輝、才木、西純に続く第6の先発の最有力候補に考えていた2年目の左腕。沖縄キャンプのサバイバルで現役ドラフトで加入した左腕の大竹が、そのポジションを手にして、シーズンに入ると村上というニューヒーローが出現したため、ここまで桐敷に出番が回ってこなかった。
 しかし、その潜在能力への期待と信頼が岡田監督にはあった。

 

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