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スタンフォード大に留学中の佐々木麟太郎を指名する球団はあるのか?(写真・アフロ)
スタンフォード大に留学中の佐々木麟太郎を指名する球団はあるのか?(写真・アフロ)

「私が編成部長なら指名はしない」ドラフト解禁のスタンフォード大留学中の超大型スラッガー佐々木麟太郎を指名する球団はあるのか…元ヤクルト編成部長の見解は?

 10.23ドラフト会議の注目の一人がスタンフォード大に留学中の佐々木麟太郎(20)だ。NPBはドラフト指名OKの方針を示したが本人は来年も同大学でプレーする方針であると見られ、交渉権を獲得しても来年6月まで入団は難しい。さらに同7月のメジャードラフトで指名されそちらを選択した場合には指名枠を一つ棒にふることになる。リスクの多い大物を指名する球団は現れるのか。元ヤクルト編成部長で故・野村克也氏にもとでヘッドコーチなどを務めた松井優典氏に見解を聞いた。

 交渉権を得ても来年6月まではスタンフォード大での試合がある

 運命のドラフト会議が近づいている。創価大の大型スラッガーの立石正広や、155キロ右腕の健大高崎高の石垣元気らが競合の可能性のある1位候補だが、注目の一人が、NPBがプロ志望届を出さなくとも指名OKとの判断を下したスタンフォード大の佐々木だ。
 花巻東高時代に通算140本塁打を放ち、2023年のドラフト1位候補だったが、プロ志望届を出さず、将来のメジャー挑戦を視野に入れながらも、文武両道を目的にスタンフォード大への留学を選択。
 1年目からレギュラーを奪い、52試合に出場し、打率.269、7本塁打、41打点をマークした。守備位置が一塁に限られるが、2026年からは、セ・リーグでもDH制度が導入されるため、もし本人がNPBも選択肢にあるのなら、将来の4番候補として、どの球団も上位指名を検討する逸材だろう。
 だが、リストに入れていると公言したのは、ヤクルトくらい。昨年、指名寸前までいったが、NPBに説得されて指名を取りやめたと見られるオリックスや、現地で調査した巨人なども含めて、どの球団も指名の有無に関して明言を避けている。
 それには複雑な背景がある。佐々木はスタンフォード大で来年もプレーする考えを固めているとみられ、そうなるとドラフトで交渉権を得ても、来年6月までプロでプレーはできない。半年遅れの入団となる。交渉権は来年の7月末まであるが、さらに佐々木がメジャーを希望し、7月のメジャードラフトで指名されれば、せっかくの指名枠をひとつ無駄にすることになりかねない。
 そのリスクを負って指名する球団は出てくるのか。

 

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