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人気の高い大谷の野球カード。ファンはそこへのサインを求める(写真・AP/アフロ)
人気の高い大谷の野球カード。ファンはそこへのサインを求める(写真・AP/アフロ)

そこまでやるか…水原一平容疑者は大谷翔平の野球カードも転売しようとしていた…大谷の口座から約5000万円分を購入した「転売ヤー」としてのもうひとつの顔

 米連邦当局はドジャース大谷翔平(29)の元専属通訳だった水原一平容疑者(39)を大谷の銀行口座から1600万ドル(約24億5000万円)以上を盗み違法なスポーツ賭博への「飽くなき欲求」のための資金調達に充てた銀行詐欺の罪で起訴したが、37ページにも及ぶ起訴状には、数々の悪事が暴かれている。水原容疑者は転売目的で大谷の口座を使って約5000万円分の野球カードを購入していたことも明らかになった。そして約1000枚の中に大谷の野球カードも含まれていたという。レアカードでさらに直筆サインがあれば値が上がるが、6年にわたってコンビを組んでいた大谷への信じられない裏切り行為だ。

 過去に大谷のレアカードには2800万円の高値もついた

水原容疑者が大谷の口座から盗んだのは違法賭博によって膨らんだ借金の送金だけではなかった。1600万ドル(約24億5000万円)以上と発表された違法ブックメーカーへの送金額に比べると少額かもしれないが、水原容疑者は大谷のドジャース移籍決定後の2024年1月から2024年3月にかけて同じ口座を使ってeBayやWhatnotで約1000枚の野球カード(約32万5000ドル相当=約5000万円)を購入し大胆にも「ジェイ・ミン」という偽名でドジャースのクラブハウス宛に郵送させていたのだ。
 SNS上では、インターネット掲示板に集う野球ファンの通称「なんJ民」から取ったのではないかとの憶測や噂話が飛び交ったが、訴状によると水原容疑者が過去にメールアドレスやウェブサイトに使っていたのと同じペンネームだという。
 捜査員はドジャースの球団職員から事情を聴き、保管されていた複数の箱をチェックしたところ、すでに開封されており、コレクター用の保護ケースに入った野球カードがみつかった。
 捜査当局は、水原容疑者と彼の弁護士の同意を得て、水原容疑者が使用していた車内からブリーフケースや箱も数個押収したところ、稀少価値のヤンキースのレジェンド捕手である故・ヨギ・ベラ、今季からヤンキースでプレーしている強打者のフアン・ソト、そしてなんと大谷のカードが発見されたという。特別に保管してあったことを考えると、もしかすると、相当のレアカードだったのかもしれない。現在捜査班は、すべての野球カードの目録を作成しているが、約1000枚あったと推定されている。捜査当局は、水原容疑者が、後日転売するためにこれらのカードを購入したと結論づけた。
 米国での野球カードのトレーディング市場の規模は相当なものだ。過去最高額で取り引きされたのは、ミッキー・マントルのカードで約5億円の値がついた。大谷の元同僚であるエンゼルスのマイク・トラウトのルーキーカードも4億円近い金額で落札された。
 大谷の野球カードも高額で取り引きされており、過去最高額のカードは、2018年のエンゼルス時代のTOPPS社製「ボウマン・クローム・スーパーフラクター・カード」のいわゆるルーキーカードと呼ばれるもの。大谷の直筆サイン入りで18万4056ドル(約2800万円)で取り引きされた。大谷の野球カードは人気で平均でも30万円前後で売買されているという。
 直筆サインがあればさらに値が上がる。水原容疑者が大谷のカードをどう扱おうとしていたかは不明だが、6年にわたり「兄弟」と評されるほどのコンビを組んでいた大谷の野球カードまで、大谷の口座から盗んだ金で購入して転売しようとしていたのは、人として許されない裏切り行為だろう。
 水原容疑者は12日(日本時間13日)に司法当局に出頭して、その身柄を拘束された。同日に水原容疑者はロサンゼルス連邦裁判所に出廷した。米スポーツサイト「ジ・アスレチック」のサム・ブルーム記者は「水原一平被告は足首に手錠をはめられて法廷に現れたが、後に手錠は外された。彼は数々の条件付きで2万5千ドル(約380万円)の保釈金を支払って釈放された。許可なくカリフォルニア州の中央地区を離れることはできない。大谷と連絡を取ることもできない。ギャンブル依存症プログラムなどに参加しなければならない」と伝えた。

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