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山本由伸が中0日登板で大会MVP(写真・AP/アフロ)
山本由伸が中0日登板で大会MVP(写真・AP/アフロ)

ベッツが明かす「瞬く間にヤマがいけるという話が広まったんだ」山本由伸「中0日」登板志願がドジャースの世界一連覇に与えた無限の力

山本の登板志願は試合前からチームを鼓舞していた。
 フレディ・フリーマンは、8回にアレックス・マンシーが1点差につめよる本塁打を放った直後に、本当にブルペンで投球練習を始めたその姿に驚き、勇気をもらったという。
「本当に……信じられなかった。ブルペンを見たら彼がウォームアップしてて、『まさか…本気でやるのか?』って言ったんだ。そしたら本当に出てきて、まるでダーツを投げるみたいなボールを投げていた。制球も完璧で、すごく感動した』
 フォックススポーツの特別番組に出演したフリーマンはさらにこう山本を称えた。
「彼を表すに十分な言葉はない。言葉にならない。本当に、信じられない。ヨシノブが俺たちにワールドシリーズ優勝をもたらしてくれた。彼が昨日も投げて、それでこれだ。ワールドシリーズで3勝だよ?あり得ない。本当にすごすぎる」
 「中0日」登板を求め、登板そのものには「驚きがなかった」はずのスミスも「まさか3イニングも投げるとは思わなかった。2回、3回のイニングを投げにいくのは信じられないことだった。彼は本当に素晴らしい投手だよ。努力家で、野球に対する献身が凄い。特別な人間であり、特別なチームメイトだ。彼のことを本当に誇りに思う」と称えた。
 そして最終決断したのはロバーツ監督だった。
 米「ドジャーブルー」が伝えた試合後会見映像の中で、「山本を投入する時、彼自身が『大丈夫」』と言ってくれて、私は彼を信じました。結果的にそれが大きな決断になった」と明かした。
 さらにロバーツ監督は山本の志願登板の裏にある心の話をした。
「彼には強靭な精神がある。フォームは完璧だし、何よりも揺るがない意志を持っている。こういう選手は本当に稀だ。私は彼を心から信頼している。彼のおかげで私も『いい監督』にさせてもらっている」
 昨年のヤンキースとのワールドシリーズも最後を締めたのは先発のウォーカー・ビューラーだった。ロバーツ監督は、そこに重ね「ビューラーはドジャースの伝説的な存在だが、今夜のヨシもそこに並んだ。100球を投げた翌日に再登板して3イニングを抑えるなんて、正気の沙汰じゃないでも、彼を信じたんです。私たち全員が」
 山本がワールドシリーズで投げた魂の235球…そして現代野球の常識を覆す「中0日」登板は永遠に語り継がれる伝説となった。

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