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九州学院のヤクルト村上宗隆の実弟、慶太(3年)が初回に決勝点となる先制タイムリー。チームを8強に導いた(写真・日刊スポーツ/アフロ)
九州学院のヤクルト村上宗隆の実弟、慶太(3年)が初回に決勝点となる先制タイムリー。チームを8強に導いた(写真・日刊スポーツ/アフロ)

ヤクルト村上宗隆の弟である九州学院「4番・一塁」慶太はドラフト指名される逸材か…ベスト8へ導く決勝タイムリー

 

全国高校野球選手権大会の3回戦4試合が16日、甲子園球場で行われ、九州学院(熊本)が国学院栃木(栃木)を4-0で下して12年ぶり3度目のベスト8進出を決めた。注目は「4番・一塁」で先発出場したヤクルトの村上宗隆の実弟、慶太(3年)。1回に先制のタイムリーを放ち、これが決勝点となった。兄に負けず劣らずの190センチ、94キロの体格で、同じく右投げ左打ち。果たして今秋のドラフトで指名され、兄と同じプロの世界に進むのか。プロの評価は?

「目につく対応力。間違いなくドラフトに上がって来る素材」

 この勝負強さが“村上ブラザーズ“の系譜なのだろう。

 1回二死二塁。4番で主将の村上は攻めの気持ちを前面に出す。初球の低めカーブをフルスイング。これは空振りとなって、2球目の外角ストレートもファウルとなり、簡単に追い込まれたが、2球続けて振ることでタイミングをつかんでいた。そして冷静にフルスイングからヒット狙いにバッティングを切り替えた。

 136キロのストライクゾーンギリギリの外角ストレートを右手1本になりながらもセンターへと弾き返したのである。

 2年生エースの直江新が、国学院栃木打線にゴロアウトを17個も数えさせ、4安打完封劇を演じたため、結果的に、この村上の先制タイムリーが決勝点となった。

「4番を打たせてもらっているので、チャンスで回ってきたらしっかり打てるようにという意識は持っている。先発の直江投手を楽にさせてあげたいという気持ちで打席に立った。結果的に決勝点になったのでよかった」

 兄が果たせなかったベスト8進出に村上も笑顔だ。

 セ・リーグの本塁打、打点の2部門を独走。5打席連続アーチの日本記録更新をやってのけて3冠王さえ視界にとらえるヤクルトの村上宗隆が4つ違いの兄。体格も190センチ、94キロと堂々としており、同じ右投げ左打ち。「参考にしている」との言葉通り、構えからスイングまで、その打撃フォームもどことなく兄に重なる。

 今大会は2試合で8打数3安打、1打点3得点。帝京五戦では、二塁打、三塁打を放ち、兄から祝福のメッセージも届いたという。ただ熊本県大会から通じてホームランはない。守備位置も、兄は高校時代にキャッチャーだったが、弟は一塁。ネット裏のプロスカウトがマークしているスラッガーだが、果たして今秋のドラフトで指名される可能性はあるのだろうか。

 名将の故・野村克也氏が最も信頼した“右腕”として知られ、阪神ではスカウト、ヤクルトでは編成の責任者としてドラフトの指揮を執り、村上兄の入団時にはヤクルトのフロントにいた松井優典氏は、「ドラフトで間違なく上がって来る素材だと思う。ただ兄のような1位で競合する選手ではない。話題性がプラスされる選手だから、ひょっとすれば3位でないと取れないかもしれない。」と評価した。

「大事なゲームで先制タイムリーを打つ勝負強さに対応力と野球脳の高さを感じた。積極的に振りにいき、0-2と追い込まれてから外のストレートに対応した。状況に応じた軽打。バットが素直にインサイドアウトに柔らかく出てきたので芯で捉えることができた。ストレート狙いの変化球対応の気持ちで打席に立っているのだろう。こういうセンスは、鍛えようと思っても鍛えられない部分。プロが求める部分だ」

 

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