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森保監督が記念すべき代表指揮100試合目を白星で飾った(写真提供・日本サッカー協会)
森保監督が記念すべき代表指揮100試合目を白星で飾った(写真提供・日本サッカー協会)

「競争を介して生じる気持ちをチーム作りに生かしている」“ツネ様”はAマッチ100試合目を白星で飾った森保監督の勝率約7割の手腕をどう評価しているのか?

 100試合の内訳は69勝14分け17敗と、勝率は実に7割近くに達している。白星の中には2022年のW杯カタール大会のグループリーグで世界を驚かせた、優勝経験国のドイツ及びスペイン両代表からもぎ取った逆転勝ちも含まれる。
 さらに日本サッカー史上で初めてW杯をまたいで指揮を執った第2次政権でも、2023年9月に敵地でドイツに4-1で圧勝。カタール大会のリベンジを期してきた相手を返り討ちにすれば、まだ記憶に新しい先月にはサッカー王国のブラジル代表から通算14度目の対戦で初勝利を、それも2点差を大逆転して再び世界を驚かせた。
 日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長(48)は「勝利が重要な任務となる代表チームで、7割近い試合を勝つのは並大抵ではない」とこう続けた。
「勝っても負けてもそこから何かを学び、より良い状態にしていこう、という空気がこのチームにはある。9月にはアメリカ代表に負けましたし、ブラジル戦の前半も実は良くなかったところからゲームのレベルを上げる能力が備わっている。さまざまなタスクを選手、スタッフに与えているマネジメントの部分が上手くいっているし、競争を介して生じる気持ちをチーム作りに生かしている部分も大きいと思う」
 今回の11月シリーズで言えば、ボランチとして不動の存在だった遠藤が14日のガーナ代表戦ではリザーブのまま試合を終えた。一方でボランチとして先発フル出場した佐野海舟(25、マインツ)が出色のプレーを披露。リバプールでも出場機会が激減している遠藤は、フル出場したボリビア戦後にこう語っている。
「きつかったけど試合勘はそれほど落ちていなかったし、悪くもなかった。これで選手層が厚くなれば、良い意味で監督を悩ませられると思っている」
 100試合における大陸ごとの内訳は、W杯予選やアジアカップなどの公式戦があるアジアが57試合で最も多い。南米が18試合、北中米カリブ海が13試合で続き、さらにアフリカとヨーロッパが6試合で並んでいる。
 W杯優勝を目標に掲げる上で、大陸内で独自の大会であるネーションズリーグを設けているヨーロッパ勢とは、国際親善試合でマッチメークする機会がほとんどなかった。森保ジャパンが戦った6試合のうち、半分の3試合はカタール大会だった。
それでも堂安は「あまりネガティブには考えていないですね」とこう続けた。
「もちろん(ヨーロッパ勢と)戦えれば理想ですけど、僕たち代表選手のほとんどが普段はヨーロッパでプレーしているので。逆に南米やアフリカには日本があまり勝てていないイメージが強いし、良い意味での強化試合になると思っています。あとはヨーロッパの予選もほぼ終わっているので、来年3月は良い試合ができるんじゃないですか」
 森保ジャパンが臨む101及び102試合目は、来年3月の国際Aマッチデー期間に組まれる。宮本会長は「できるだけ強い国と対戦したい」とだけ語った。来月6日のW杯北中米大会の組み合わせ抽選会の結果を経て、同じ組にならなかった国とマッチメークしていく中で、ロンドンの聖地ウェンブリー・スタジアムでイングランド代表と日本が対戦するプランが進められていると英国メディアは報じている。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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