「尚(弥)に太鼓判をもらった」兄の井上尚弥が那須川天心とのWBC世界戦に挑む拓真の「完璧な仕上がり」を保証した!「あっと言わせる展開になる」
昨年10月の堤聖也(角海老宝石)戦では、手数と攻勢ポイントで圧倒され、0-3判定で敗れて王座から陥落。怪我の治療もあり1年のブランクを作った。だが、その拓真とは、すべてが変わったことを強調した。気持ちで負けて下がることなどしない。
マンツーマンで拓真の変貌に手を貸した父の真吾トレーナーも言う。
「今までと違う意識で練習をしてきた。まったく違う人間になった。堤戦は、もちろん、栗原戦、和氣戦、アンカハス戦の時の拓真でもない。気持ちを入れて親子で練習をしてきた。そうでなければおかしいじゃないですか。一番強くなっている。ずっと見ていた尚も『変わってね。仕上がってね』と言っていた。それを試合で惜しみなく出せなければ意味はないが、今までは、心配しかなかったが、今回はやりきった」
拓真の過去の最高傑作は、IBF世界スーパーフライ級王者を9度も防衛している天心と同じサウスポーおヘルウィン・アンカハス(フィリピン)を超攻撃的ボクシングで9回に倒したWBA世界同級王座の初防衛戦とされている。しかし、真吾トレーナーは、それを越える準備ができたという。
そして拓真の口から「楽しみ」という言葉が繰り返さる深い理由をこう説明した。
「練習でも自分がやりたいことができて楽しんでやっていた。何をやれば強くなるかが、わかってきた。できなかったことできるようになり、やりたことがやれたら楽しいに決まっている。そこにはまったんじゃないか。何のために練習をやっているのか。それができれば何につながるのか。それがわかれば楽しくなりますよ」
拓真は、「天心がどんなボクシングをしてくるのかわからない。そこも楽しみたい。すべてを楽しみながら、やりたい」とも語った。
試合展開は判定決着が見込まれている。
3人のジャッジ構成は、田中浩二、飯田徹也の日本人2人と、メキシコのオマール・ミンタンの3人に決まった。ジャッジの人選はWBCが決定するが、その経緯は様々で今回は興行主である帝拳サイドが推薦し、それをWBCが認定する方向だった。だが、関係者によると、帝拳サイドが「試合結果にどこからも批判の声が出ないようにしたい。正々堂々とフェアな判定として評価されるように」との理由でその人選を大橋サイドに任せた。大橋サイドは「信頼しているから」と丁重に断りを入れたが、帝拳サイドが譲らず、最終的には拓真陣営が、この3人を選び、WBCに認定された。田中、飯田の2人は、偏りのある採点は目立ったことはなく、ミンタンはベテランだ。

