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  • なぜ井岡一翔は堤vsドネアの勝者ではなく井上拓真への挑戦を口にしたのか…13度目の大晦日にWBA世界バンタム級挑戦者決定戦…天心敗因をズバリ分析の“IQ”が弾き出した勝算
井岡一翔の13度目大晦日はバンタム転級初戦でWBA世界王座挑戦者決定戦
井岡一翔の13度目大晦日はバンタム転級初戦でWBA世界王座挑戦者決定戦

なぜ井岡一翔は堤vsドネアの勝者ではなく井上拓真への挑戦を口にしたのか…13度目の大晦日にWBA世界バンタム級挑戦者決定戦…天心敗因をズバリ分析の“IQ”が弾き出した勝算

 4ラウンド終了時点での公開採点が3者共に「38-38」のイーブン。帝拳陣営は井岡と同じく、1ポイントリードと予想していたが、ここでイーブンと出たことで天心サイドの歯車が狂ったと見ている。
「(那須川選手は)序盤のポイントを取り切れなかった。やはり中盤、5ラウンドぐらいから戦い方をもう少し変えても良かったのかなと。僕はもっと後ろで作っても良かったんじゃないかなっていう風に思った」
「後ろで」とは1,2ラウンドのような距離をとってのカウンターボクシングだ。だが「迷った」という天心は中途半端な距離にいて、7ラウンドには、頭をつけての接近戦を挑み、そこを「弱点」と見て準備していた拓真のボディ、アッパーの餌食となった。
「本人同士の対峙の感覚にセコンドのアドバイスや指示もある。総合力で負けたと思った。セコンドとかチーム(力)を含めて」
 “チーム井上”の結束は凄かった。父の真吾トレーナーがインターバルで的確な指示を送り、ずっと井上尚弥の声が響いていた。リングインすると自ら手をあげてファンの声援を求め会場を味方につけていた。
 井岡は、そういうチームプレーにまで目を配りこの戦いの分岐点を見ていた。裏を返せば、未知なるバンタム級への挑戦となるが、ハードパンチャーではない拓真との「ボクシングIQ」の勝負であれば勝算があるのだろう。
 今回の挑戦者決定戦には批判の声もある。現時点で井岡が9位、オルドスゴイティがランク外だからだ。12月1日に更新されるWBAランキングで井岡の順位が上がり、オルドスゴイティもランキング入りする予定だが、このタイミングの発表では疑念が生まれるのも無理はない。ただタイトル・エリミネーターを最上位ランキング同士で厳格に行うのはIBFくらいでWBAなど他団体にそこまで厳格な位置づけにはない。つまり勝者が必ず1位にランキングされるわけでもなく、指名試合の権利を必ず手にできるわけでもないのだ。亀田和毅もWBA世界スーパーバンタム級の挑戦者決定戦に勝ちながら、当時の王者、ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)に挑戦させてもらえなかった。その挑戦者決定戦も亀田が5位で相手のベネズエラ人は10位だった。WBAに限らず元王者に優先的に挑戦者決定戦への機会を与える傾向もある。
 本来であれば、12月17日に両国で行われるWBA世界バンタム級正規王者の堤聖也(角海老宝石)と5階級制覇王者で暫定王者の“レジェンド”ノニト・ドネア(フィリピン)の団体内統一戦の勝者への挑戦を口にすべきところだが、井岡が、拓真の名前を出した裏には、そういう複雑な挑戦者決定戦の事情もある。
 その堤vsドネア戦を井岡は「堤が勝つと思っている」と予想した。
「ドネアにキャリアだったり上手さという部分はあると思う。しかしドネア選手は瞬発的なパワーが衰えちゃうと自分のボクシングを作れない。年齢とともに(左フックの一撃が)脅威でなくなると対戦相手は戦いやすい、入りやすい、潰しやすい。 堤選手の展開で言うと自分の距離感に持っていきやすいんじゃないかと思う。そうは言ってもドネア選手にパンチがないこともない。今まで積み重ねたキャリアに状況判断力も凄い。難しい戦いになると思うが、競り勝つ展開になったら堤選手が勝つんじゃないか」

 

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