井上尚弥、井岡一翔ですら日本王者からの世界挑戦だったのに…“超特例ルート”のプロ4戦目で“超ホープ”吉良大弥が大晦日にWBA世界ライトフライ級挑戦者決定戦に挑む
日本プロボクシング協会にはミスマッチの世界戦の乱立を防ぐため、日本、OPBF東洋太平洋、WBOアジアパシフィックのいずれかのタイトルの獲得経験のない選手の世界挑戦は認められていない。JBCも承認しないことになっている。
過去に日本最速記録の5戦目で世界王者となった田中は4戦目で東洋王者、6戦目で世界王者となったスーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は4戦目で日本王者、7戦目で世界王者となった大晦日のメインを張る井岡も、6戦目で日本王者、8戦目で世界王者となった“カリスマ”の元WBC世界バンタム級王者の辰吉丈一郎も4戦目で日本王者を獲得している。ただこの内規には特例がある。それは各団体から命じられた指名試合として世界挑戦するケースだ。それは公認団体が世界戦を行うにふさわしい実力だと認めたことになるので地域タイトルの獲得有無については不問にされる。最近では、その特例で世界へ挑戦したのは、ロンドン五輪金メダリストの村田だけ。村田は地域タイトルを獲得しないまま、2017年にWBA世界ミドル級王座決定戦に出場したが、この時は村田が2位で1位のアッサン・エンダム(フランス)との王座決定戦だった。だが、村田はノンタイトル戦とはいえデビュー戦で現役の東洋王者にTKO勝利している。今回の吉良の挑戦者決定戦の出場に一部の協会幹部からクレームの声も出ているが、志成ジム陣営は、協会、JBCに内規を確認した上で世界戦へつながる挑戦者決定戦をマッチメイクしたという。
吉良も「4戦目で(世界戦を)できたらいいなと思ってたけど、(最速記録に)並ぶとなれば、それはそれで凄いこと。胸を張って狙いたいですね」と言う。
だが、5戦目での世界戦を実現するためには、世界7位のメキシカンを倒さねばならない。
イバン・ガルシア・バルデラスは18戦13勝(5KO)4敗1分けのキャリアだが、3戦前には現WBC世界ライトフライ級王者のカルロス・カニサレス(ベネズエラ)と対戦して判定で敗れたものの一人がドロー採点をつける接戦で、8月の前戦では、ヘスス・ラヤ(ベネズエラ)を10回TKOで破って、WBAラテンアメリカ同級王座を獲得している。そのキャリアの差をどう埋めるか。
「メキシコ人とやるのはアマチュア時代からも初めて。結構振ってくるボクシングをする印象が強くて手強いかなって思いますね。僕はまだ3戦しかやってなくて、キャリアの差は試合経験以外で育てることはできない。でも、キャリアの差が出てくるのは実力が拮抗している時。じゃあ実力自体を伸ばせば、もうキャリアなんて関係ないじゃないですか」
圧倒的な実力差でキャリアのハンデを吹き飛ばすと豪語したのだ。
今回は高校1年以来となるライトフライ級のウエイト。10キロちょっとある減量への不安もある。だが、専属の栄養士に管理してもらい、減量を進める予定だという。
大晦日にネクストモンスター候補がまた一人誕生するのかもしれない。

