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9月にRIZINで対戦することになったメイウェザーと朝倉未来が揃って米国で会見を開いた(写真提供・RIZIN FF)
9月にRIZINで対戦することになったメイウェザーと朝倉未来が揃って米国で会見を開いた(写真提供・RIZIN FF)

海外メディアはRIZIN9月メイウェザーvs朝倉未来をどう報じたか…「世界的に無名」「ボクシングファンが見たかったのはパッキャオ戦」

プロボクシングの元世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー・ジュニア(45、米国)が、9月に日本で開催される総合格闘技イベント「RIZIN」で総合格闘家で人気Youtuberの朝倉未来(29、トライフォース赤坂)とボクシングルールのエキシビションマッチで対戦することが13日(日本時間14日)発表された。「RIZIN」の榊原信行CEO(58)が、米国で2人同席の上、緊急記者会見を開いたもの。開催場所、日時、ルールは、後日、発表されるが、メイウェザーが「ぬるい3ラウンド」と試合のラウンド数を明かすハプニングも。海外メディアもメイウェザーの異色マッチ決定を大々的に報じたが、噂されたマニー・パッキャオ(43、フィリピン)との再戦ではなく世界的には無名のMMAファイターである朝倉を選んだことへの驚きの論調もあった。

「私は楽しんで勝つ」

 世界を驚愕させる電撃発表だった。

 4年前に那須川天心とのエキシビションが決まった際には、プライベートジェットで来日して会見を開いたが、今回は、米国に朝倉が乗り込んでの会見。朝倉は、第一声で「僕はMMAファイターで、今後世界で名を売るために利用させていただきます。倒します、以上です」と語ったが、それからは、メイウェザーのほぼ独演会。途中、朝倉が「長すぎてわかんない」とぼやき、二次会見が用意されるほどだった。

「彼は一生懸命にやって倒すと言っているが、私は楽しんで勝つ。彼がどうやりたいか。何を見せたいかによって変わってくる。お金を払い、よりエキサイティングなものを見せければ対応する。ぬるい感じで3ラウンドやりたいなら、それでいい。彼が本気でやりたくてお金を払ってくれれば5ラウンドでも8ラウンドでもやる。彼は8ラウンドはもたないだろうがね」

 メイウェザーは、そう豪語。朝倉の映像は見たこともないし、今後も見るつもりがないとまで発言して見下した。

 ボクシングルールでの3ラウンドなら、MMAファイターの朝倉に負けるはずがないという自負があるのだろう。

 メイウェザーは引退後の2017年8月にUFCの2階級制覇王者コナー・マクレガー(33、アイルランド)とボクシングルールで対戦して10回TKO勝利を収めると、2018年の大晦日に那須川天心とボクシングルールのエキシビションで対戦して1回KO勝利。ここでエキシビションに味をしめて昨年6月に世界的に有名なYoutuberのローガン・ポール(27、米国)と同じく8ラウンドのエキシで対戦して倒すことができずに採点がないルールだったためドロー。今年5月には元スパーパートナーだったドン・ムーア(45、米国)とアブダビで8ラウンドのエキシビションで対戦して、最終ラウンドにダウンを奪いながらも、決着をつけることができずにまたしてもドローに終わっている。

 海外メディアもメイウェザーのエキシビションの第4弾決定を報じた。  英デイリーメール紙は「メイウェザーが世界的には無名の日本の総合格闘技スターの朝倉未来と戦う。45歳のボクシングレジェンドは9月に日本で2017年の引退以来4度目のエキシビションマッチを発表」との見出しを取り伝えた。   

 記事は、「マニー・パッキャオのマネジャーは先週、メイウェザーの長年のライバル(であるパッキャオ)が、“世紀の一戦”と、対戦前に宣伝された2015年のラスベガスMGMグランドでの対戦以来となる彼との再戦を視野に入れていると語っていた。だが、元2階級王者で、世界的に無名の総合格闘技家の朝倉が、正式な日付、会場は6月後半に発表される形で、45歳の米国人の引退以来4人目の相手になる」と続け、引退したパッキャオとの再戦ではなく、世界的に無名の朝倉が対戦相手となったことを驚きをもって報じた。

 さらに「この発表は2017年にプロのボクシングで50勝無敗で引退したメイウェザーがスコアなしの試合で先月にアブダビでスパーリングパートナーのドン・ムーアと対戦してからもたらされた。29歳の朝倉はボクシングの経験はない一方で、総合格闘技の成績は現在16勝3敗となっている」と紹介。

「メイウェザーはエキシビションで手腕を発揮してきており、引退後も5年前にマグレガーに勝って大金を稼ぎ続けている。彼はローガン・ポールとの昨夏の試合で8回のフルラウンドまでいった戦いの前に、2018年の大晦日にキックボクサーの那須川天心との試合ですでに日本人ファイター(那須川天心)を1ラウンドで容赦なく倒している」と記した。

  ボクシング専門サイトのボクシング・シーンも「メイウェザーがエキシビジョンツアーを続けることになる」と、朝倉との試合について報じた。  記事は、「このイベントはメイウェザーにとって今年2度目のエキシビションマッチとなり、50勝0敗(27KO)と完璧な成績で130(スーパーフェザー級)、135(ライト級)、140(スーパーライト級)、147(ウェルター級)、154ポンド(スーパーウエルター級)で世界王座を取って2017年にボクシング界から引退して以来、通算で4度目のエキシビションとなる。メイウェザーの信じられない仕事ぶりは、今週末に殿堂入りが発表され讃えられることになった。彼は(殿堂入り発表から)1日たらずで次の冒険へと踏み込んだ」と伝えた。

 会見の中からメイウェザーの「私はとてつもなくハードな練習を積むことで、ここまでたどり着いた。いつでも集中している。いつでもベストになれるように自分を追い込んでいる。世界を旅して、エキシビションを行い、人々を楽しませることができて素晴らしい気分。私はあらゆるスタイルのボクサーと対戦してきた。私の仕事はリングに立ち、楽しみ、ベストを尽くすこと」というコメントを掲載した。

 さらに「メイウェザーは、楽しみ、エンターテイメントを提供することに主眼を置く一方で、彼の対戦相手の朝倉は、より真剣に、そして簡潔なアプローチを示した」と続け、朝倉の「僕はMMAファイターなので、世界に名前を売るために利用させてもらう。倒します」というコメントを取り上げた。  そして朝倉を「朝倉はRINGS(原文ママ。正確にはTHE OUTSIDER)で元2階級の王者、そして2018年にRIZINに参戦して以来、日本で有名となったスターだ」と紹介した。

「朝倉は145ポンド(約66キロ)で10年のプロキャリアを持っている。日本の埼玉で2018年大晦日に行われたRIZINで126ポンド(約57キロ)とサイズに劣る那須川天心を1ラウンドで破壊した米国のレジェンドのエキシビションマッチのデビューの時とは異なり、サイズでわずかながらメイウェザーより優位を得ることができる」と、朝倉が体格でメイウェザーを上回っていることを伝えた。

 ボクシングサイトのボクシングニュース24は、「メイウェザーは朝倉と対戦するエキシビションのペイパービューをいくらで販売するかを明かさず、この試合でのファイトマネーについても言及しなかった」と“マネー”の部分に焦点を当て伝えた。

 さらに「メイウェザーはムーアという名前の元スパーリングパートナーの1人と最近になって戦った後、すぐに(リングに)戻ることになる。ボクシングファンは彼が最近引退したパッキャオとのエキシビションを行うところを見たがったが、メイウェザーは、その方向に向かわないことを選択した。もしパッキャオ戦が実現していれば、パッキャオは、2017年にボクシング界から引退して以来、本来の調子を失ってしまった45歳のメイウェザーに対して楽な仕事をする可能性が高かっただろう」と、パッキャオではなく朝倉を次戦相手に選んだことにフォーカスした。

 その上で「メイウェザーが、今後、どこまで長くエキシビションを続けるかは不明だが、ファンが喜んで購入する限りは50代、60代になっても続けていることに驚きはないだろう」と皮肉をこめて伝えた。

 9月の試合まで海外メディアもこの異色マッチの行方に注目しそうだ。

 

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