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レッドブル角田裕毅のリザーブ兼テストドライバー降格が発表された。レーシングブルズ復帰も叶わず事実上来季のF1シートを失う(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
レッドブル角田裕毅のリザーブ兼テストドライバー降格が発表された。レーシングブルズ復帰も叶わず事実上来季のF1シートを失う(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「この決断が2027年のF1復帰の可能性を高める」なぜ角田裕毅はレッドブルのリザーブ兼テストドライバーへの“降格”を受け入れたのか…来季陣容が正式発表…事実上5年守ったF1シートを失う

 F1のレッドブルと姉妹チームのレーシングブルズは2日(日本時間3日)、公式サイト上で来季陣容を発表し、角田裕毅(25)は両チームから外れて5年間守ってきたF1シートを失うとともに、リザーブ兼テストドライバーとしてレッドブルに残留することが正式に決まった。予想通りレッドブルに新人アイザック・ハジャー(21、フランス)が昇格。レーシングブルズにはリアム・ローソン(23、ニュージーランド)が残留し、アービッド・リンドブラッド(18、英国)がF2から昇格する中で、海外メディアは角田が受け入れた決断を「2027年のF1復帰を見すえている」と解説した。

 8月下旬の時点でハジャーの昇格が内定

 土壇場での大逆転は起こらなかった。
 日付が日本時間の2日から3日に変わった直後に更新された、レッドブル及び姉妹チーム・レーシングブルズの公式サイトで発表された来季のドライバーラインナップ。前日から複数の海外メディアが一斉に報じた通り、2チームの来季の陣容に角田の名前は見当たらなかった。
 レッドブルの絶対的エース、マックス・フェルスタッペン(28、オランダ)の新たなチームメイトには新人ハジャーが昇格。レーシングブルズにはローソンが残留し、さらに神童リンドブラッドがF2から昇格、角田はリザーブ兼テストドライバーでのグループ残留となった。事実上のF1シートの喪失だ。
 レッドブルのローラン・メキース代表(48、フランス)は、角田への感謝の思いを込めてメッセージを送った。
「裕毅とは両チームでともに仕事をする機会を得た。これまでの5年間に及ぶF1で彼が完璧なレーサーへ成長したことには、スポーツ界の誰もが同意する。さらに裕毅を嫌わないことは不可能で、彼はその人柄を介して、レッドブルファミリーの特別な一員となっている。ファミリーを代表してこれまでの貢献に感謝するとともに、来季のプロジェクトでもかけがえのない支援を提供してくれると確信している」
 今季第3戦の日本GP前にレーシングブルズから緊急昇格した角田だったが、念願のトップチームでは大苦戦が続き、前半戦の最高位は第4戦バーレーンGPの9位。途中解雇を含めた交代論が高まっていた8月のサマーブレイク中に角田は首脳陣と協議し、後半戦の内容と結果で来季の去就を決める方針で合意した。オランダGPでハジャーが3位と自身初の表彰台に立つ快挙を達成。同GPでは角田も9位に入賞したが、F1公式サイトが示した解説では、8月下旬の時点でハジャーの昇格はすでに内定していたようだ。
「レッドブルグループは湖の深いところに投げ込まれたドライバーが何事もなかったかのように泳ぎ出すのか、あるいは沈んでいくのかを常に見極める。前者ならばレーシングブルズで長く走らせる意味はなくなり、可能な限り早くレッドブルへ昇格させる。デビュー戦だった豪州GPのオープニングラップでクラッシュし、上級顧問のヘルムート・マルコを激怒させたハジャーはその後にコースの内外で絶対的な自信を築き上げるなど、レッドブルでもがき苦しんだ角田とはあまりにも対照的なシーズンを送ってきた。こうした経緯から、レッドブルはハジャーがふさわしいと判断した」

 

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