「酷い採点だ」「どこ見てた?」「B、Cプランがなかった」帝拳“秘密兵器”高見亨介が1-2判定で敗れたWBA&WBO統一戦の判定に物議…本当に狂った採点だったのか…改めて検証してみた
また117-111の“とんでも採点”が生まれる構造を帝拳OBで、あの精密機械のワシル・ロマチェンコとラスベガスで戦った男として知られる元OPBF東洋太平洋ライト級王者の中谷正義氏は、こう解説した。
「どちらにつけてもおかしくない揺れるラウンドっていうのは必ず出ます。そこにはジャッジの好みや感性が影響するわけですが、それを片方につけていると実は接戦なのに判定は大差だったということが起こりうるんです。通常、揺れるラウンドは会場の歓声などの影響を受けてホームの選手につくものなんですが、日本のリングはフェアネスが浸透していてそうはならなかったということですね」
ホームタウンデシジョンが日本のリングではほぼ見られず非常にフェアな採点が行われるとの評価が世界的にある。
高見は、試合後「つめが甘かった」との反省を口にしていた。
那須川天心(帝拳)が井上拓真(大橋)に判定で敗れたWBC世界バンタム級王座決定戦で「帝拳にはBプラン、Cプランの戦略がない」との批判がSNSで展開された。
高見は公開練習で「自分がしっかりとB、Cまで見せて、しっかりできますよというのをアピールしたい」と宣言していた。
サンティアゴ戦に向けては「足を使う選手だから意外と追いかけられない、仕留めきれない」という投稿もあり、「今回それを自分が覆したいと思っている」とも反発していた。
試合のプランそのものについて高見は、「予想外の動きもなかった。プラン通りには進められた。焦ることはなく自分のやりやすいペースでできた。」と振り返ったが、ポイントを奪い返しにいくタイミングが9ラウンドからでは遅かった。
オーギートレーナーは「この試合は再戦すべきだ」と主張したが、減量の苦しい高見は「もうライトフライではやらない。やるならフライ級」と、今後はフライ級に上げて再起を目指すこと明かした。まだプロ11戦の23歳。本田会長の評価も「ノビシロしかない」と揺るぎない。この悔しさを教訓に変えてさらに強くなるだろう。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

