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寺地拳四朗が日本からの出場5選手で一人だけミット打ちを披露した(写真・山口裕朗)
寺地拳四朗が日本からの出場5選手で一人だけミット打ちを披露した(写真・山口裕朗)

拳四朗が挑戦するIBF王者がワークアウトでトレーナーを吹っ飛ばすパフォーマンス…陣営の反応は?勝てば条件付きながらジェシー“バム”ロドリゲスと4団体統一戦の可能性

 プロボクシングの「The Ring V: Night of the Samurai」(27日)のメディアワークアウトが24日、現地のグローバルシアターで行われ、寺地拳四朗(33、BMB)の挑戦を受けるIBF世界スーパーフライ級王者のウィリバルド・ガルシア(35、メキシコ)がトレーナをぶっ飛ばすパフォーマンスで会場を沸かせた。だが視察した加藤健太トレーナーは「パンチの軌道も映像で見たまま」と軽く受け流し、3階級制覇の成功に自信をのぞかせた。指名試合を回避するという条件付きだが、3団体統一王者、ジェシー“バム”ロドリゲス(25、米国)のプロモーターであるマッチルームのフランク・スミスCEはこの試合の勝者との4団体統一戦を最優先にしていることを明言している。

 

IBF王者のガルシアがトレーナーを吹っ飛ばした(写真・山口裕朗)

 前日のグラウンドアライブで民族衣装の正装で登場するサプライズで「ばっちり。これしかない」と話題を独占した拳四朗は、この日は、「あれじゃあ動けませんよ(笑))」と笑ってGジャン姿で会場入り、日本選手でただ一人、シャドーに加えてミット打ちを披露した。
 動きは軽快。仕上がりの良さをアピールしたが、王者のワークアウトは、会場をざわつかせた。シャドーもなしにいきなりミット打ちを始めたガルシアが武器でもある強烈な右フックを連発させ、なんとトレーナーがロープから横伝いにコーナーへ吹っ飛んだのだ。
 ガルシアは32戦23勝(13KO)6敗2分け1無効試合のキャリアを持つ、超攻撃的ファイターだ。1ラウンドから12ラウンドまで、パンチを打ちまくるスタイルで、今年5月にレネ・カリスト(メキシコ)との再戦を2-1の僅差判定で逃げ切り王座を手にした。終盤になると、パンチの質はガクンと落ちるが、序盤のパンチは強力で、この日のワークアウトは、その一端をトレーナーをぶっ飛ばすというサプライズで証明したわけである。
 だが、その3分近く続けられたミット打ちを視察した加藤トレーナーは「予想通り、パンチの軌道なども映像で見たままだった」と受け流した。
「仕上がりは良さそう。最初からガンガン来ると思う。やってくることは変わんない。小手先でやってくる選手でもない」
 そう予測した。
 加藤トレーナーは改めて戦略を確認し直した。
「(後半にパンチのスイングが)緩くなるんです。振りが緩くまるまで、しっかりとディフェンスをすること。好きにさせ過ぎてもよくない。ポイントを取られ、流れを持っていかれ る。そこはしっかり戦うつもりでいる」
 名参謀として知られる加藤トレーナーも終盤に、パンチのスピードが劣化し、大ぶりになるという欠陥を見抜いている。勝負は、ガルシアのパンチの精度が落ちてから。だが、それまでは、嵐のような猛攻撃に耐えなければならない。しかも耐えているだけでは、ポイントを失うだけ。そこで五分以上に対抗しておくことが、後半のチャンスにつながることになる。
 そこで懸念されるのが、初挑戦となるスーパーフライ級の壁だ。そこで、スキルは関係なく、力負けしてしまうと、後半にガルシアのパンチの精度が落ちてから逆襲しても間に合わない可能性がある。
 だが、加藤トレーナーは、こう一蹴した。

 

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