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最初にダウンを奪ったのはRENAだったが…(写真・RIZIN FF)
最初にダウンを奪ったのはRENAだったが…(写真・RIZIN FF)

“最強女子決定戦”に敗れたRENAは「(伊澤を)倒せるのは私しかいないと少しは証明できた」と再戦を要求し、締め落とした“絶対女王”伊澤星花は「もう一度戦っても勝つのは自分」

 

 対するRENAは仰天発言を携えて伊澤の後に入室してきた。
「本当はこれ(タイトル)を取ってヒロインになって引退したら格好良かったと思うんですけど、このままだとちょっと辞められないですね。(伊澤を)倒せるのは私しかいないと少しは証明できたと思うし、タイトルまで登り切れるかわからないけど、もう少しだけ自分の可能性に賭けたいなと今は前向きに思っています」
 その上で背中を追う伊澤に対してこんな言葉を残している。
「選手としては本当にリスペクトしていますけど、根本的には合わないと思うので。でも格闘技は一人ではできないし、伊澤手がいたからこの試合もかなり注目されて、素晴らしい試合ができたと思うし、いろいろなキャラクターがいて良いと思っています」
 圧倒的な強さを追求してきた伊澤と、実力を兼ね備えた“ツヨカワクイーン”として注目されてきたRENA。総合格闘技の道を対照的なルートで突き進む6歳差の2人が、険悪な関係になったのは2022年の「女子スーパーアトム級ワールドGP」だった。
 準決勝での対戦が決まっていた中で、RENAが負傷によりこれを辞退。以来、対戦要求と負傷によるすれ違いが繰り返され、やがては伊澤が「戦う気がないなら、私の名前を出すな」と怒りを露にするようになった。
 今回も負傷により約1年半のブランク明けだったRENAに対して、伊澤が「過去の人でしょう」と挑発。すれ違う思いは、大晦日決戦を終えても変わらなかった。
「煽り合っていた時間が長すぎて、実際に自分が何に怒っているのかがわからなくなった部分もあるけど、物語が進んでいないと言われたのはすごく引っかかっていて。自分が強すぎるのが何かすごく悪いことになっているんですけど、自分の中では物語をどんどん進めているだけだし、その自分に追いつける人が今までいなかっただけだと思うので。もっとがむしゃらに練習して、もっともっと自分に追いついてきて欲しい」
 応戦してきたRENAもこう振り返る。
「(伊澤選手の)パフォーマンスが本心なのか、ちょっとわからないですけど、私はあまり何も考えていないというか、素のままに生きているので。私の武器は打撃だし、それを生かしてみなさんに楽しんでいただけるような試合をしようと」
 女子総合格闘技をもっと、もっと普及させたいと望む共通項がありながら、なかなか交わらない。しかも次に両者が対戦するのはいつになるのかもわからない。それでも伊澤は「もう一度戦っても自分が勝つと思う」とRENAとの再戦をこう語る。
「女子は強い選手がたくさんいるので、その中で勝ち上がってくるのであれば受けます。私はオファーがあればいつでも、誰とでも戦うので」
 ダウンを奪い合ったフックと絞め技の応酬と、試合後に交差させた感謝の思いは通過点になるのか。合計で7分弱を要した邂逅に強烈な残像を刻みながら、伊澤とRENAは再び別々のルートで女子総合格闘技の頂を目指していく。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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