え?さらに?「5月東京ドームでキラと戦いたい」大晦日もう一つのWBA挑戦者決定戦で衝撃“ワンパンKO”の吉良大弥に2団体統一王者から驚愕オファーが届く
プロボクシングのWBA世界ライトフライ級挑戦者決定戦が大晦日に東京・大田区総合体育館で行われ、同級2位の吉良大弥(22、志成)が同級7位イバン・ガルシア・バルデラス(24、メキシコ)を2回27秒に右ストレート一発で“ワンパンKO”する衝撃的な勝利を飾った。WBA&WBO世界同級統一王者のレネ・サンティアゴ(33、プエルトリコ)からは「5月に東京ドームでキラと戦いたい」との仰天オファーが届いた。プロ5戦目での世界戦が実現してベルトを巻くことになれば、引退した田中恒成(30、畑中)に並ぶ日本最速タイ記録となる。
「狙わなかったから当たった」
大晦日の大田区総合体育館がどよめきに包まれた。
2ラウンド。開始直後にバルデラスが左のジャブを軽く出したことが命取りになった。そこに吉良が電光石火の右ストレートを合わせたのだ。アゴをぶち抜かれたメキシカンは大の字。上半身だけなんとか体を起こした頃には10カウントが数えられていた。
「狙わなかったから当たった。僕は顔で倒したのは初めてなんですけど、こんな感じなんかって感じで。当たった感じがしなかったです」
これがプロ4戦目だった。
相手のバルデラスは18戦13勝(5KO)4敗1分けのキャリアだが、3戦前には、現WBC世界ライトフライ級王者のカルロス・カニサレス(ベネズエラ)と対戦して判定で敗れたものの一人がドロー採点をつける接戦で8月の前戦ではヘスス・ラヤ(ベネズエラ)を10回TKOで破ってWBAラテンアメリカ同級王座を獲得している。そのキャリアの差をどう埋めるかが課題で、開始2分までは、パンチも空回りし、接近戦でボディやフックを被弾していた。だが、わずか2分で見極めた。
「あ、いけるわって思ったから、ちょっとギア上げたら、結構フィットした」
冷静にパンチを外して“ゴロフキンフック”と呼ばれる死角から放つ左右のフックをヒットさせていた。そして2ラウンドのフィニッシュ。
「2ラウンド目には身体が慣れてきた」
キャリアの差などまったく関係なかった。
しかも初めてのライトフライ級。10キロ以上の減量があったが、それもクリアできた。
アマ3冠。奈良の強豪の王寺工業高出身で、元WBA世界スーパーフライ級王者の名城信男や、元IBF世界バンタム級王者の西田凌佑(いずれも六島)を育てた高見公明氏の教えを請い、1年でアジア・ジュニアで金メダルを獲得し、2年で選抜、3年でインターハイを制した。東農大に進み、パリ五輪を目指したが予選で敗れたため、大学の先輩でもあり尊敬する元4階級制覇王者の井岡一翔にスカウトされて、2年で中退して昨年4月に志成ジム入りした。
だが、プロの指導への戸惑いがあった。
「教えてもらっていることに疑問があったりとか、自分がやりたいことがあって、なんか噛み合わんなという時期があった」

