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井上尚弥は対ピカソ用の秘策を出さなかった(Matchroom Boxing/Mark Robinson)
井上尚弥は対ピカソ用の秘策を出さなかった(Matchroom Boxing/Mark Robinson)

「自分をコントロールできなくなっていた」井上尚弥が最後まで使わなかったディフェンス一辺倒“ピカソKO”の秘策…真吾トレーナーが「尚の試合ではない」と苦言を呈した真意とは?

 プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(32、大橋)は12月27日にサウジアラビアでアラン・ピカソ(25、メキシコ)を3-0判定で下した。だが、KO決着はできずキャリアで初めて2試合連続の判定勝利となって、父で専属トレーナーの真吾氏(54)が「尚弥の試合ではない」と苦言を呈した。その真意とは?

 

サウジのリングに立つ井上尚弥と父の真吾トレーナー(Matchroom Boxing/Mark Robinson)

 「丁寧にピリっという緊張感でいけば、違う流れになっていた」

 羽田空港での帰国会見。
 井上、大橋秀行会長、真吾トレーナーの3人は疲れた顔をしていた。
フルラウンドを戦った井上は、試合後、現地時間午後8時くらいにホテルに戻ると、4時間後の午前O時に空港へ向けて出発し、ドバイ経由で羽田に降り立った。偏西風の影響で、帰りの飛行時間は、計2時間ほど早まったが10時間を超える長旅である。
 試合は一人が120-109をつけるワンサイドだった。
 だが、明らかに実力差のあるピカソから井上はダウンシーンを作ることもできず倒せなかった。昨年9月のムロジョン・アフマダリエフに続く2試合連続の判定勝利はキャリア初。
 真吾トレーナーはここで辛辣なコメントを残した。
「僕から見たら正直、点点々〈…〉ですよ。相手をナメてるわけではないが、あれは尚弥の試合ではない。ちゃんと順を追って組み立てていけば、もっと違う試合になると思う。自分は納得いっていない」
 真吾トレーナーの「尚弥の試合ではない」発言の真意は何だったのか。
「ピリピリ感に少し欠けていた。もう少し丁寧にピリっという緊張感でいけば、違う流れになっていたと思うんです。ジャブとか、上下散らしてとか、特に序盤からもっとボディをひつこく攻めて弱らせていければダメージが蓄積してどこかが倒すことができたんですよ」
 真吾トレーナーはモンスターの異変に気がついていた。

 メインを前にリングに登場したのはマイケル・バッファー氏だった。
日本でお馴染みのジミー・レノン・ジュニア氏と共にボクシングのリングアナとして一時代を築いた名アナウンサー。御年81歳である。
 先ずピカソが入場し続いて井上の入場テーマ曲「Departure」が鳴り響き、モンスターがピンクと黒のコスチュームで登場し、弟でWBC世界バンタム級王者の拓真、いとこの浩樹、太田光亮トレーナーがリング誌ベルトを含む5本のベルトを掲げて後に続いた。
 サウジアラビア国家が流され、オフィシャル、レフェリーの紹介が終わった後に、バッファー氏は、ここでお決まりの名セリフ” Let’s get ready to rumble(戦いの準備はいいか)”と呼びかけ、約3000人で埋まったムハマド・アブド・アリーナは大歓声に包まれた。

 

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