そんなことあるの?「一つですがJクラブから声かかる」優勝した神村学園エース日髙元が“就活”兼ねた高校サッカー選手権で7ゴール得点王の活躍が認められて“夢”つかむ
全国高校サッカー選手権大会決勝が12日にMUFGスタジアム(国立競技場)で行われ、神村学園(鹿児島)が3-0で鹿島学園(茨城)に快勝し、12度目の出場で悲願の初優勝を果たした。昨夏のインターハイに続く史上6校目の夏冬2冠を牽引したのがエースのFW日髙元(はじめ、3年)だ。前半19分に先制ゴールを決め、今回大会7得点で得点王を獲得した。卒業後の進路が未定で、最後の選手権を“就活”と位置づけていたが、その活躍が認められ期間中にJクラブからオファーが届いたという。
「サッカー人生で最高のゴール」
高校最後の戦いを前に掲げた2つの目標を、日髙が同時に達成した。
1つは神村学園の選手権初優勝。PK戦の末に尚志(福島)との準決勝を制し、これまでの最高位だった2006、2022年度大会のベスト4を超えた神村学園は、同じく初優勝を目指した鹿島学園との決勝でも前後半で3ゴールをゲット。歴代最多の6万142人の大観衆の前で歓喜の雄叫びをとどろかせた。
最終的に優勝した岡山学芸館(岡山)にPK戦の末に敗れた3年前の準決勝。エースの福田師王(21、現・カールスルーエ)らが涙する姿を、当時は神村学園中学3年生で、国立競技場のスタンドで応援していた日髙は必死に記憶に焼きつけた。
「自分は中学から神村学園に来て、それこそ(福田)師王さんたちのチームが負けてしまったのをここで見ました。先輩たちが積み重ねてきたものを、自分たちがさらに更新していくと思ってきた中で、去年の夏に続いて冬も獲れた。まだ実感が湧かないけど、同じ国立の舞台で2試合戦えて、ともに勝てたのは本当にうれしい」
初優勝を大きく手繰り寄せたのも日髙だった。
両チームともに無得点で迎えた前半19分。MF堀之口瑛太(3年)の縦パスに抜け出したFW徳村楓大(3年)が一気にペナルティーエリア内に侵入。右足から放たれたシュートが前へ出てきたタイからの留学生、GKプムラピー・スリブンヤコ(2年)に防がれ、チャンスが潰えたかに映った直後だった。
徳村をフォローしながら、誰よりも早くこぼれ球に反応したのが日髙だった。
「本当にいいところにボールがこぼれて来たんですけど、左足だったのでちょっと焦りました。でもキーパーもいない状態だったので、冷静に流し込めたと思います」
利き足の右にボールを持ち替えている時間はない。ペナルティーアークあたりから左足のインサイドで丁寧に、なおかつ確実に放たれたシュートは美しい弧を描きながら、無人と化していた相手ゴールの左側に吸い込まれていった。
試合の主導権を引き寄せ、最終的には3-0で快勝する呼び水となった技ありの一撃。日髙は胸を張りながら、こんな言葉で振り返っている。
「これまでのサッカー人生で最高のゴールでした」
しかも、準決勝の同点弾に続いて決めた日髙の今大会通算7ゴール目は、身長165cm・体重63kgの小柄なストライカーに大きな勲章をもたらした。

