「どっちが本物?」とファン混乱…3.15横浜でドネアvs“神の左”継承者の増田WBA世界バンタム級挑戦者決定戦も大晦日には井岡が同じ決定戦…「1位と4位のこっちが完全な決定戦」と帝拳浜田代表
正規の挑戦者決定戦である増田とドネアの正規の挑戦者決定戦はKO決着必至のハードパンチャー同士が激突する面白いマッチメークだ。
3週間ほど前に本田会長からドネア戦の打診があった際に「やらせて下さい」と即答したという増田自身も、3大世界戦をおしのけてメインを張ることに「ドネア選手は実力もあるレジェンドボクサー。一番面白い試合になる」という。
43歳のドネアは、その年齢からくる衰えが不安視されていた。だが、12月のWBA世界同級正規王者の堤聖也(角海老宝石)との団体内統一戦では、僅差の1-2判定負けしたものの、敗れてなお評価はアップした。序盤は凄まじい集中力で4ラウンドに伝家の宝刀の左フックではなく右のショートアッパーのカウンターをヒットさせて堤をぐらつかせた。その後、堤は自慢の粘りで盛り返したが、ドネアも足を使い、「打つよ、打つよの圧をかけながら休む」という老獪なテクニックを駆使しながら、堤に踏み込ませずにフルラウンドを戦い抜いた。
堤はこの試合で鼻を折られ、顔の形が変形した。
その試合を会場で見ていた増田も「下馬評ではドネア選手の年齢について指摘される意見が多かったと思うが、全く予想を覆す、ここまでいい動きをするんだという印象と やっぱりパンチのタイミング、特に左フックに関してはフィリピーノフラッシュ というものが健在であるという風に感じた。偉大なるボクサー」とリスペクトを寄せた。
高校生の頃に見た2011年のWBC、WBO世界バンタム級統一王者のフェルナンド・モンティエル(メキシコ)を左フックで2回に仕留めて3階級制覇に成功した試合が今なお記憶に残り「あの試合はしびれた。まさか自分があの選手と試合をするとは想像もつかなかった。感慨深い」と付け加えた。
堤戦後、ドネア陣営は「2ポイント勝っていた」と判定に異議。その内容を認めてWBAもランキング1位に留めた。ただドネアも右目の上をカット、左拳4本の血豆がすべて破けるほどのダメージを負った。
その激闘からわずか3か月。2年のブランクがあり、ここ数年は、試合間隔が空いていた43歳のドネアのダメージの影響が懸念されるが、オンラインで会見に出席したドネアは、こう豪語した。
「コンディションは最高だ。自分自身の強さの1つにリカバリーの速さ、回復力というものがある。常に健康であるということもとても恵まれたことではあるが、回復力の速さ、回復するパワーというところも今も生きている。全くダメージは問題ない」
驚異の回復力だ。これが5階級制覇を果たした源泉なのだろう、
堤戦の後に、しばらく日本に滞在し、米ラスベガスでトレーニングを再開、現在はフィリピンのオメガジムで合宿に入っていて前日には若手と6ラウンドのスパーリングを消化したという。
「皆さんはコンディションとか健康面を心配してると思うが、そこよりも気持ちの上で自分が戦えるというのが何よりも重要」
ただ連敗は許されない。キャリアの中での連敗は2022年6月に井上尚弥(大橋)との再戦で2回TKO負けをして翌年7月にWBC世界バンタム級王座決定戦でアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に判定負けした一度だけ。帝拳関係者には、「日本でラストファイトを戦いたい」との意思も伝えている。

