中井亜美が4年後の金メダルへ向けて4回転挑戦を検討…ISUのルール改正に左右される決断の行方【緊急連載④】
ただ中庭氏が「慎重に」と条件をつけるには理由がある。
五輪後の恒例であるISUのルール改正で男女共にフリーのジャンプの本数が7本から6本に減るなど、ジャンプ至上主義から、芸術性へ重きを置く方向へ大きくシフトチェンジすると見られている。フリーの4分間が短縮されるという情報も流れている。
各社の報道によると昨年12月に名古屋で開催されたグランプリファイナルでISUの金載烈会長は「異なる強みを持つ選手が公平に競い合えるように、技術と芸術的表現の両方の最適なバランスを追求している」とコメントした。
そうなると基礎点が9.50以上ある4回転ジャンプをプログラムに取り入れることが金メダルへの絶対条件ということではなくなる。
「もしルールが大きく変われば、4回転の必要性が低くなるかもしれません。リスクだけが増して、そう高く評価されないのなら、怪我も怖いですからね。ただジャンプの数が減っても高難度のジャンプを持っている優位性はあると思うんです」
そしてこう続けた。
「演技構成点も期待できる選手です。滑りも上手く、感情を乗せることもできます。ただ17歳の滑りの弱さはあるんです。そこが強くなっていけば、隙のない選手になります。ルールが今後どっちに転んでも左右されないタイプなんです」
トリプルアクセルの成功率を高めることに加え、スピン、ステップのレベルアップ、そして今季、取り組んできたスケーティング技術、つなぎのブラッシュアップ、表現力を高めるなど、4回転へのチャレンジ以上に重要な課題が山ほどある。
4年後のフランス・アルプス五輪には、ジュニア時代に一度も勝てなかった4回転の使い手、島田麻央との国内のライバル対決も勝ち抜かねばらない。金メダルのアリサ・リュウもまだ20歳。4年後はスケーターとしてのピークを迎えるだろう。ウクライナへの軍事進攻で国際大会から除外されているロシア勢が4年後に五輪戦線へ復帰してくる可能性もあるだろう。だが、中井の突き進む道に迷いはない。
中井は3月にチェコで行われる世界選手権に五輪銅メダリストとして参戦する予定だ。

