KO決着必至!井上尚弥と2度戦ったドネアとWBA挑戦者決定戦を戦う増田陸があの大谷翔平の名文句に倣い「1回から仕掛ける。真剣で斬り合う」大勝負に挑む
大和トレーナーは「ボクシングに幅を持たせた。ジャブからワンツーにつなげる丁寧で無駄のない動き」と言い、増田も「自分の軸に新しいものを付け加えると同時に潜在的なポテンシャルを引き出して、さらに深いボクシングができるようになっている」という。
具体的には右のパンチの使い方だ。
「右のリードは攻撃を目的としたパンチだけじゃない。他にも色んな使い方がある。右の使い方の幅を広げられた」
ドネアの映像を研究する中で、改めてフォームの綺麗な点に気づいたという。構えや上下のバランスなどだ。だが、それを崩すのではなく、増田は、自らの過去映像を見直して、自分のフォームの狂いや頭の位置などを修正することに時間を費やした。
また実際にドネアとのスパーリング経験のあるジムメイトのWBOアジアパシフィックフェザー級王者、藤田健児からも情報を得た。藤田も増田と同じサウスポーで、「サウスポーに対してどういう戦いをしてくるか。踏み込みのスピード、ポジショニング、外回りなど」について映像ではわからない“ヒント”を伝えてもらったという。
そして4月11日に両国で元2階級制覇の“レジェンド”ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)とのWBC世界同級挑戦者決定戦に臨む同門の那須川天心とも共闘を誓い合った。
「トレーニングが一緒になった時にお互いにハッパをかけあった」
相手がレジェンド、しかも同じ階級で挑戦者決定戦。シチュエーションが似通っている。
ドネアはもちろん増田が高校生の頃から記憶に残るレジェンドだ。
だが、そのオーラにのまれるつもりはない。
「ボクシングなんでリングに上がれば1対1の戦い。どういうマインドでいるかが大事。リスペクトはあるがリングの中に持ち込まない」
2023年の野球のWBCでは、米国との決勝を前に大谷翔平が「憧れるのをやめましょう」「憧れていては超えられない」とスピーチして、世界一を手にした。
――その気持ちと同じですか?
そう聞くと「そうです。勝負なんでリスペクトしすぎることは逆に失礼になる」と増田は言い、キリっと目に力を込めた。
勝てばWBAのベルトへの挑戦権を得る。現在はレギュラー王者が堤。休養王者のアントニオ・バルガス(米国)との指名試合が待ち構えているが、堤が勝てば増田がプロで唯一黒星を喫した相手とのリベンジマッチが世界の舞台で実現することになる。
「その気運は高まっているし、モチベーションにもなっているが、まだ何も決まっていない。自分が挑戦権を得られようにチャンピオンロードを切り拓きたい」
3.15横浜BUNTAIで歴史的なKOシーンを見ることができるのかもしれない。

