
「辛抱するのも監督の務め。コーチがフォローせよ」阿部監督が見逃し三球三振&バント失敗の泉口を3回で“懲罰交代”も最下位ヤクルトに痛恨の逆転負け…巨人大物OBが“モノ申す”
巨人が17日、神宮球場でのヤクルト戦で2-3で痛恨の逆転負けを喫して借金生活に逆戻りとなった。3度のバント失敗が響き、阿部慎之助監督(46)は、先制機に見逃しの三球三振に倒れ、第2打席でバントを失敗した泉口友汰(26)を3回に“懲罰交代”させた。巨人OBで西武、ヤクルトで監督を務めた広岡達朗氏(93)は、「辛抱するのも指揮官の務め。コーチがフォローしなければならない」と苦言を呈した。
1点を追う9回二死満塁に4番坂本はハーフスイングで三振
坂本はその判定に明らかに不満気な顔を浮かべた。
1点を追う9回二死満塁。カウント1-2からの5球目の外角への誘い球のスライダーに4番坂本のバットが出た。振ったか、止まったか、微妙なハーフスイングだったが、一塁の塁審はアウトのジャッジ。阿部監督も不満そうだったが、ハーフスイングについての抗議はできない。逆転で1点差ゲームを落とした指揮官は報道陣に囲まれながら足早に神宮のフィールドを歩き始めた。
緊張感の漂う接戦だった。
2回に丸のライトフェンスを直撃するタイムリーツーベースで先制し、その裏、先発の西舘が、伊藤にタイムリーを許して同点に追いつかれるも、6回に中山のライトスタンドの最前列に飛び込む2号ソロで勝ち越した。だが、その裏、内山、オスナに連打を浴びてまた追いつかれた。無死二塁からのオスナのレフト前ヒットを処理した中山がホームに好返球。タイミングはアウトで球審の手は一度上がったが、岸田がミットからボールをこぼしていた。記録に残らないミスだった。
8回には、同点の展開で大勢を投入するも、二死三塁から、代打宮本の「いい当たりではなかったんですけど」という詰まった打球が三塁前へ転がった。
その打球を処理した坂本が送球に移ろうとした瞬間にボールをこぼした。記録は内野安打だったが、事実上のエラー。あまりにもプレーが軽かった。坂本にとって9回二死満塁の逆転機は、絶好のリベンジ機会だったはずなのだが、中途半端なハーフスイングでのゲームセットである。
1点差ゲームの明暗を分けたのは3度のバント失敗だった。
二回一死一、二塁で、西舘が失敗。3回無死一、二塁では泉口がスリーバントを試みてファウルとなった。7回にも無死一塁から佐々木が1球目を見逃し、2球目のバントがファウルになると阿部監督は、今度はスリーバントではな、ヒッティングに切り替えたが、最悪のショートへの併殺打。阿部監督はベンチで憮然としていた。
そして阿部監督は試合中に異例の行動に出ていた。泉口が3回にバント失敗すると、その裏の守りから門脇を遊撃に入れ、“懲罰交代”させたのだ。泉口は1回二死一、二塁のチャンスにも見逃しの三球三振に倒れていた。