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阪神のドラフト1位の森下翔太が紅白戦で内野安打を放つ(写真・黒田史夫)
阪神のドラフト1位の森下翔太が紅白戦で内野安打を放つ(写真・黒田史夫)

阪神ドラフト1位の森下翔太がバース流の打席位置で「開幕ライト」争いへ参戦…岡田監督は「段階的には順調ちゃうか」

  阪神ドラフト1位の森下翔太外野手(22、中大)が11日、沖縄宜野座で行われた1、2軍合同紅白戦に「9番・DH」で出場、1打席目は、1球も振らずに四球を選び、岡田彰布監督(65)の配慮で組を変えて巡ってきた第2打席には、セカンドへの内野安打を放ち非凡さをアピールした。今日12日には初めて守備練習にも入る予定で「開幕6番・ライト」の“大本命”として急浮上してきた。

 バットを振り切っての内野安打

 

「9番、DH、森下」のアナウンスに、約8000人の虎ファンで埋まった宜野座村野球場が色めきたった。期待のルーキー。しかも、1m82、90キロの立ち姿には迫力があった。
 5年目の育成左腕の川原陸と対戦することになった第1打席は、2回二死一塁で回ってきた。森下は、1球も振らずに四球を選んだ。カウント2-1からの4球目の変化球にはタイミングを合わせて踏み込みながらもバットが止まった。センスを感じさせるシーンだった。
「基本的に全球打ちにいった中で(ボールを)見逃せていた。そのプレッシャーも投手に与えられて、四球を取れたと思うので、その姿勢は続けていきたい」とは本人の弁。
 迫力満点の立ち姿に加えて、全球打ちにいく姿勢を見せた。“見えないプレッシャー”で四球を奪いとったというわけである。
 主に2軍メンバーで組まれた紅白戦の第2試合は4イニング制。このままいけば、2度目の打席は回ってこず、実戦デビューは、一度もバットを振らずに終わるところだったが、岡田監督が機転をきかせた。
「(打席が)回ってこんかったら、あかんと思った」
 急遽、紅組「9番・DH」から白組の「9番。DH」に変更。指揮官の特別配慮により、3回一死から第2打席が回ってくることになったのである。
 マウンドの岡留英貴は、亜大出身で2年目の右の変則投手だが、2人は東都大学リーグで対戦していた。森下が1年の春季リーグで1号を放った相手で、そのまま紅組に留まり、打席が回ってくる可能性を待って“荒れ球”の育成の佐藤蓮と対戦するよりも、森下が持ち味を発揮できるのではないか、という首脳陣の隠れた配慮があった。
 森下は初球のボールの変化球を見送り、2球目のストライクゾーンに来たボールを積極的に打ちにいった。ファウルとなり、カウント2―1から145キロのややインコースのストレートをしっかりと振り切った。一、二塁間への詰まった打球だったが、セカンドの高寺望夢はグラブに当てるのが精一杯。“持っている”男はデビュー戦で初ヒットを記録した。
「ヒットが出た方が、出ないよりはほっとする部分はあります。いい当たりではなかったけど、ああいう安打がチームの勝利につながったりするので、いい結果だった」
 試合後のインタビューでも表情が和らいだ。
 虎ファンの拍手と応援を受け「すごい声援をいただいたので、力になるなと素直に感じました」と感激していた。

 

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