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元ヤクルト編成部長が選んだ夏の甲子園の気になるドラフト候補
元ヤクルト編成部長が選んだ夏の甲子園の気になるドラフト候補

え?意外にも!「野手ナンバーワン評価は横浜の背番号1の奥村頼人」元ヤクルト編成部長が「不作の甲子園」の中から選んだ8人の“将来が気になる”ドラフト候補の逸材

 第107回全国高校野球選手権大会はいよいよ今日21日、甲子園で準決勝2試合をを迎える。2年生に好素材が目立ち、今秋のドラフト候補は不作とされる今大会でもキラリと光る逸材はいた。元ヤクルト編成部長とひてドラフトを取り仕切り、故・野村克也氏の参謀としてコーチも務めた松井優典氏(75)に“将来が気になる”逸材をピックアップしてもらった。

 大会で唯一A評価は155キロの石垣元気

 いい意味でも悪い意味でも話題満載だった2025年夏の甲子園もフィナーレに近づいている。
山梨学院の菰田陽生、沖縄尚学の末吉良丞のスーパー2年生の2人が準決勝に駒を進めた。
 元ヤクルト編成部長で阪神でスカウトも務めた松井氏曰く、スカウト目線から見ると「2年生の方が目立ち、今秋のドラフト候補は不作と言っていい」大会だったという。
「いわゆる1位で競合する特Aはいない。1位指名の可能性もあるA評価のドラフト候補は、健大高崎の石垣元気一人だけ。彼が投手、野手も含めて大会ナンバーワン。全体的にスカウトにとっては評価が厳しい大会になったのではないか」
 松井氏が一番に評価したのは健大高崎の1m80、78Kgの右腕、石垣元気だ。京都国際戦で7回から救援登板して2イニングを無失点。最速は2007年夏の佐藤由規(仙台育英)、2013年夏の安楽智大(済美)に並ぶ甲子園歴代最速タイの155キロを叩き出した。
「甲子園にくる度に成長している。今大会はリリースポイントがさらに打者に近くなっていた。ストレートの球速が150キロ台で揃い制球に安定感もあった。球筋はヤクルト、メジャーなどで活躍した五十嵐亮太の全盛期に近い。重たくて角度がある」
 ただ県大会でも2試合で5イニングを投げただけ。青柳監督が、「出力の大きい選手は医学的に故障のリスクが多い」との観点で慎重に起用してきたもので、松井氏は「スカウトはそこが不満足だったのでは?先発のイメージを持ちにくい」と指摘した。
 大会を通じて各選手をチェックした松井氏は、「甲子園出場は選手を成長させるしドラフトの評価へプラスとなる。ここでの経験がベースとなり大学、社会人へ進んでから、プロに入り後に大化けする選手も少なくない。そういう意味で将来性も含めて気になる逸材はいた」と、石垣を含めて8人をピックアップした。
 石垣に続く投手で高い評価を与えたのが、未来富山の1m80、87Kgの大型左腕の江藤蓮だ。初戦の高川学園戦で、一発を含む11安打8失点で6回途中でKOされ、ショックのあまりプロ志望を「考え直したい」とまで口にした。この試合での最速は144キロ。松井氏は、「魅力のある大型左腕。持っているエンジンが違う。馬力があり、本来力は甲子園で出せなかっただけ」と、その素材を評価した。
「8失点の理由は、実戦の経験不足とおそらく高川学園にクセなどを研究されて球種を読まれていたんだと思う。左腕では仙台育英の吉川陽大にもプロが注目しているが、彼はかわすが、江藤は真っ向打者に向かっていく。その気持ちの部分もプロ向き。また打撃センスもよくバッターとしても評価したい」

 

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