
え?大谷翔平が思わず二度見した“魔球”って?「大谷、ベッツ、フリーマンにはこっちが最高レベルで投げなきゃならない」防御率1.98全米最高右腕のスキーンズに2三振1四球の“完敗”
ドジャースの大谷翔平(31)が4日(日本時間5日)、敵地でのパイレーツ戦に「1番・DH」で出場して全米の防御率1位でサイヤング賞の最有力候補であるポール・スキーンズ(23)と3度対戦して2三振1四球と完敗した。チームは3-5で敗れてナ・リーグ中地区最下位のパイレーツに同一カード3連敗。優勝マジックが消滅した。
アウトハイのフォーシームにバット当たらず
MVP3度の二刀流スターvsサイヤング賞最有力候補の全米最高右腕。全米注目の対決は、大谷の2三振1四球に終わりスキーンズに軍配があがった。
第1打席は、初球から全開のフォーシームを続けられて追い込まれるとカウント2―2からアウトハイに投じられた98.8マイル(約159キロ)のフォーシームにバットが空を切った。2回二死二塁の第2打席は、四球を選んだが、“ピッチング忍者”として知られるアナリストのロブ・フリードマン氏や、スポーツイラストレイテッド誌が「大谷も思わず見惚れたえげつない変化球」との見出しを取った注目の1球が6回の先頭で迎えた第3打席にあった。
スキーンズが外角のボールゾーンから大きく曲げてくるスイーパーで初球にストライクを取った。それを見送った大谷が思わずそのボールの軌跡を思い出すようにミットの位置を二度見したのだ。
スポイラ誌は、「6回にまさに“ゲームがゲームを認める瞬間”が訪れた。パイレーツの右腕がドジャースの主砲に対してとんでもない変化球を投げ込んだのだ。外角に向かうように見えたスイーパーは、ブーメランのようにゾーンへ戻り、見逃しのストライクを奪った。その球を見送った大谷は、ありえないほどの変化に思わず二度見してしまった」と描写した。
さらにボールゾーンに落ちるチェンジアップに空振りし2球で追い込まれた大谷は、再びアウトハイの98マイル(約158.1キロ)のフォーシームに空振りの三振。昨年のスキーンズとの初対戦では、一発の洗礼を浴びせた大谷も、今季は6打数ノーヒット、3三振と封じ込まれてしまっている。
前日に喉の痛みなどの体調不良を訴えて予定されていた先発を回避。それでも指名打者として打席に立ち、この日もスタメン出場を続けた。第4打席もセカンドフライに倒れてノーヒット。どこかで無理をしているのかもしれない。
5点のリードをもらったスキーンズは、6回2安打8奪三振無失点で降板して、勝ち投手となり、10勝9敗、防御率を1.98と1点台に乗せた。両リーグを通じてトップ。メジャーでは2022年のジャスティン・バーランダー以来、防御率1点台投手は出現していない。昨季の新人王が今季はサイヤング賞の最有力候補だ。
MLB公式サイトによると最下位に低迷していながらも、ドジャースにスイープをやってのけたパイレーツのドン・ケリー監督は、「スキーンズの取り組み方、競い方、持っている球質、そのすべてを見れば、我々はみんな彼にその栄誉を手にしてほしいと思っている。できれば今年に。仮に今年でなくても彼はサイ・ヤングにふさわしい投手だ。ポール本人にとっても球団にとっても彼がそれを勝ち取ることは大きな意味を持つ」と絶賛。