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モンスター二世の坂井優太が衝撃の130秒TKO勝利(写真・山口裕朗)
モンスター二世の坂井優太が衝撃の130秒TKO勝利(写真・山口裕朗)

「え?早すぎ!」衝撃の130秒TKO…“仮想”那須川天心として井上拓真のスパー相手を務めた20歳の坂井優太が無傷の6連続KO勝利…大橋会長は「来年は世界ランカーをぶつける」

 プロボクシングの「フェニックスバトル147」が18日、後楽園で行われ、54キロ契約8回戦で日本バンタム級6位の坂井優太(20、大橋)がWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級11位のブーンルエン・ファヨン(26、タイ)に1ラウンド2分10秒に衝撃のTKO勝利し、デビューから無傷の6連続KO勝利を飾った。同門の井上拓真(29、大橋)が那須川天心(27、帝拳)とのWBC世界バンタム級王座決定戦に向けて“仮想天心”に指名したのが坂井。その経験を力に変えてみせた。大橋秀行会長(60)は「来年は世界ランカーをぶつける」と、世界への“プレ”イヤーにする考えを示した。

 

 モンスター二世の呼び名に偽りはない。
 坂井が19戦15勝(15KO)4敗のキャリアを持つWBOアジアのランカーを秒殺した。ジャブで主導権を握ると、右フックで恐怖を与えて、右手でチョンチョンと軽く照準を合わせながら、コーナーにつめると左ストレートをドスン。タイ人は腰から崩れ落ちた。
「あれが効いた」
 タイ人は立ち上がってきたが、右のフックで2度目のダウンを奪うと、もう一度立ってきたところに、横殴りのボディショットをめりこませて、レフリーが試合をストップした。
わずか130秒の衝撃。1156人と発表されたホールからは「優太、早すぎ!」との声が飛ぶほどだった。
「自分のやってきたことを出す前に終わっちゃった。1ラウンドから行こうとは思っていなかったが、距離感がよかった。打たせずに打って、圧倒的な試合を見せることが目標だが、ちょっと今日は早かった。もうちょっと見せたかった」
 無傷の6連勝をすべてKOで飾ったというのに坂井はまったく満足していなかった。
「過去一追い込んだ」
 今回から根本文武トレーナーの指導でフィジカルトレーニングを本格的に取り入れた。
 父で専属トレーナーを務める伸克氏が、根本トレーナーに注文したのは「体重を増やさずにパワーをアップして欲しい」というメニュー。その中には懸垂があり、これまで1回しかできなかったが、この1か月半で30回できるようになったという。
「パンチが当たる、当たらない関係なく、フィジカル強化を重点にやってきたので」
 パワーアップした姿を見せたかった。
「体の強さを見せることができたかわからないけれど自分では強くなったと思う」
 長身サウスポーの長所を生かしたスピードとキレが坂井の武器だが、そこに間違いなくパワーが加わった。

 

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