井岡一翔の大晦日WBA世界バンタム級挑戦者決定戦はトランプ政権のベネズエラ上空閉鎖措置でどうなる?!対戦相手はベネズエラの国内王者
トランプ政権のベネズエラ上空及び周辺空域の閉鎖措置が日本のボクシング界にも影響を及ぼす可能性があった。元4階級制覇王者の井岡一翔(36、志成)が大晦日に大田区総合体育館でWBA世界バンタム級挑戦者決定戦として同級11位のマイケル・オルドスゴイティ(24、ベネズエラ)と対戦するが、この選手はベネズエラの国内王者。来日できずに試合が中止となる最悪の事態は回避されたそうだが、果たしてその理由は?
コロンビア経由で来日へ
井岡の大晦日決戦がベネズエラ問題であわや暗礁に乗り上げるところだった。
政府の弾圧、迫害を恐れたノーベル平和賞受賞のマリア・コリナ・マチャド氏はノルウェーでの授賞式に出席するため、変装して検問をくぐりぬけ、秘密裡に木造ボートでベネズエラ沖のオランダ自治領キュラソー島に渡り、アメリカの手助けでノルウェーへ渡った。
トランプ政権は、マドゥロ政権が麻薬の密輸に関与していることなどを理由に軍事的圧力を強め、ベネズエラ上空及び周辺空域を閉鎖。航空各社に通達してベネズエラからの国外移動が困難になった。
これらの状況は、ボクシング界にも影響を及ぼし、12月4日にはバンコクで開催されたWBC総会の一環としてWBC世界ライトフライ級王者のカルロス・カニサレス(ベネズエラ)とノックアウト・CPフレッシュマート(タイ)の世界戦が予定されていたが、カニサレスの出国およびタイへの入国が不可能となったため試合が中止となった。
大晦日のWBA世界バンタム級挑戦者決定戦で、転級初戦を迎える井岡の相手がベネズエラ在住で同国内王者のオルドスゴイティなのだ。
そんな状況で来日できるのか。志成ジムサイドは、ベネズエラを巡る国際情勢がきな臭くなると、すぐさま相手陣営に連絡をとったそうだが…「なんの問題もなく来日できます」と関係者が言及した。
実は、ベネズエラで、この手の問題は日常茶飯事で、ベネズエラ空港が使えなくなることへの対策が準備されており、陸路でまず隣国のコロンビアに移動して、コロンビアの空港経由で来日するという。コロンビアの上空及び空港は米国の閉鎖対象ではないため、問題はなく来日は可能。すでに日本政府のビザも発給されている。
もともと、この選手はコロンビアとの国境近くに住んでいて、普段から海外遠征の際にはコロンビア経由だったそうだ。

