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6年ぶりの早明戦となった決勝を制したのは明治大(写真・アフロスポーツ)
6年ぶりの早明戦となった決勝を制したのは明治大(写真・アフロスポーツ)

ラグビー大学選手権で未成年者飲酒の不祥事もあった明治大が早大を下して7年ぶりに復活を遂げた理由とは…10時間を超えるミーテイングと反則を誘ったハードワーク

 ラグビーの大学選手権決勝が11日にMUFGスタジアム(国立競技場)で行われ、明治大学が22-10で早稲田大学に逆転勝ちして7年ぶり14度目の優勝を果たした。6年ぶりの早明対決となった大一番は前半9分にPGで先制されたが、粘り強いディフェンスで主導権を渡さなかった明治が同19分、33分、後半8分と3連続トライ。早稲田の反撃を1トライに抑えて、1996年度以来、29年ぶりに関東大学対抗戦と大学選手権を同時に制した。なぜ明治は復活を遂げたのか。

 昨年合宿中に未成年者の飲酒事件

 最後まで激しいタックルを浴びせ続けた。
 後半のラストプレーを告げるホーンから1分40秒後。トライライン間際でタップキック&ゴーを仕掛けた早稲田のNo.8松沼寛治(3年)へ、紫紺のユニフォームが次々と襲いかかる。そして、3人目のタックルを食らった松沼がたまらずノックフォワード。直後にノーサイドを告げるホイッスルが鳴り響いた。
 宿敵に快勝して手にした7年ぶり14度目の大学日本一。同じシーズンに関東大学対抗戦に続いて優勝するのは1996年度以来、29年ぶり2度目となる快挙に、キャプテンのCTB平翔太(4年)がMUFGスタジアムのピッチ上で男泣きした。
「本当に頭の中が真っ白です。多くの方々に迷惑をかけてきましたが、その中でチーム全員がポジティブに前を向いて進んできた結果がこの優勝につながったと思うし、チームに携わったすべての方々に感謝の気持ちでいっぱいです」
 迷惑とは昨年8月の長野・菅平合宿中の不祥事を指す。
最終日の打ち上げ後に宿泊部屋で飲酒した5人の部員の中に、20歳未満の部員1人が含まれていたことが判明。飲酒に関わった5人に活動停止処分が科され、ガバナンス上の管理責任を問われた神鳥裕之監督(51)が訓戒処分を受けた。
 さらに同9月14日の筑波大学との対抗戦初戦で24-28と逆転負けを喫する。ショックに追い打ちをかける状況で、チームは例年にも増してミーティングを重ねた。チームスローガンの「完遂」をあらためて踏まえながら平が振り返る。
「私生活の部分では4年生が中心となって、寮則をさらに明確にしながら徹底してきたのが、ラグビーにおいての結果にもつながったと思っています」
 もっとも、ミーティングをリードしたのはシャイで、なおかつ寡黙で、プレーや背中を介してチームをけん引する平ではなかった。神鳥監督がゲームリーダーと呼び、平とともに全幅の信頼を寄せるSO伊藤龍之介(3年)が「ミーティングに関しては、確かにそうかもしれないですね」とこう続ける。
「かなり不足していると思っていた部分ではあったし、自分が3年生になって主力メンバーの中に入るようになったら、長時間のミーティングをしたいとずっと思っていました。チームのみんなもそれが必要だと思って、面倒くさがらずにしっかりとついてきてくれたのがすごく良かったと思っています」
 そしてミーティングの積み重ねが、高校時代に実績を残した選手たちが集まってくる明治に化学変化を生じさせた。現在のチームを「自分が1、2年生のころと比べてまったく違います」と伊藤がうれしそうに続ける。
「それぞれの選手がやりたいプレーをするのではなく、みんながお互いのことをしっかりと考えながら、何よりもまずチームのために、という思いを全員が共有できるようになった。自分が、自分がといった感じでがめつくのではなく、ここは我慢する、といったようにまとまってきたと思っています」
 対抗戦では第2戦以降で白星を重ねたが、慶應大学に24-22と辛勝した第5戦後はミーティング時間がさらに増した。早稲田との最終戦を25-19で制し、6勝1敗で5年ぶりの対抗戦優勝を果たした一方で、生命線としてきたはずのスクラムで負けた悔しさを晴らすための方策がミーティングのテーマに加わった。

 

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