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トレード?それとも長期残留?エンゼルスが大谷翔平と1年約43億円で電撃契約を結んだ裏事情を紐解く…見えてくる未来図とは?

「大谷に将来図を示し、残留交渉をする。そのための時間が欲しい。その時間は多ければ多いほどいい。開幕までに売却が成立すれば、それは可能だろう。そこで説得できない場合に限って、最後の選択肢として来年7月のトレードがある」

 説得材料としては、チームの方向性も重要だが、来年の序盤、チームがどんな状態かも影響しうる。絵に描いた餅ではなく、“勝てる”という感覚をもてるかどうか。
 しかし、冒頭で触れたように、新オーナーが決まるまでは、来季の構想を固めにくい。大型補強やトレードも凍結。その状況下で、勝てるチームをどう作るのか。
 具体的には、先発1〜2番手の投手と、クローザーが必要だが、それぞれを1年契約で獲得する必要があり、しかも予算をかけられない。かなり都合のいい話だが、リスクを覚悟なら、選択肢がないわけではない。実は、こんな話を耳にした。

 一つが女性への性的暴行疑惑で出場停止中のドジャースのサイ・ヤング賞投手、トレバー・バウアーの獲得である。現在、彼は出場停止処分を巡って異議申し立てを行い、調停の結果が出るのを待っている。出場停止は324試合で、2024年の19試合目までだが、来年の4月半ばまでに短縮される可能性があるという。
 ドジャースとの契約は来年まで残るが(23年は選手オプション)、ドジャースは出場停止処分が確定すれば、その時点でリリースする予定。選手オプションなので、バウアーが、それを行使すればドジャースに支払い義務が生じるが、そこでエンゼルスが獲得に動くなら、最低年俸で、しかも単年でバウアーと契約できる。
 出場停止の理由を考慮すると新オーナーは自分だけではなく、球団のイメージ悪化を恐れ、手を出しにくい。しかし、セカンドチャンスを与えるべきだ、という支持層も確実に存在する。その空気をどう読むか。
 クローザーに関しては、ヤンキースの“最速169キロ左腕”アロルディス・チャップマンの名前が挙がっている。彼は今季、故障もあって不振。すでにヤンキースではクローザーを外れている。おそらく、ヤンキースと再契約することもない。今年の年俸は1600万ドル(約23億円)だが、その半額以下で契約できるのではないだろうか。
 もちろん、ともに異なる意味で、ギャンブルではある。しかし、成功すればエンゼルスの足りないものを補える。大谷の契約に端を発し、来季に向けて動き出したエンゼルス。様々な思惑の中で、オフが始まろうとしている。
(文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)

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