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横浜F・マリノスFW水沼宏太の好アシストから試合が動き、自力Vの可能性を復活させた(資料写真:千葉 格/アフロ)
横浜F・マリノスFW水沼宏太の好アシストから試合が動き、自力Vの可能性を復活させた(資料写真:千葉 格/アフロ)

横浜F・マリノスの自力V復活で優勝行方はどうなる?11.5最終節でマリノス●川崎〇でのみ逆転

さらにガンバや磐田と異なり、浦和は前線から果敢にプレスをかけてきた。お互いに攻め合う展開が、マリノスが標榜するアタッキングフットボールを引き出した。戦術面とメンタル面の整備。そして、対戦相手との噛み合い。すべてが融合された末のマリノスの復活劇だった。
 後半20分までに大量4ゴールをゲット。今シーズン最多の4万6387人のファン・サポーターが見つめるなか、マリノスが早々と勝利を手中に収めていた一方で、同時間帯にホームの等々力陸上競技場に神戸を迎えていた川崎は大苦戦を強いられていた。
 前半20分にFWマルシーニョ(27)のゴールで先制するも、後半6分にMF小林祐希(30)に直接フリーキックを叩き込まれる。その後は一進一退の攻防が続き、残り時間も刻一刻と少なくなっていく。このまま引き分けで終われば、その瞬間にマリノスの優勝が決まる。
 漂い始めた終戦ムードを一掃したのが、FW家長昭博(36)の左足だった。
 ゴール前でFW小林悠(35)がDF小林友希(22)から受けたファウルが、ビデオ・アシスタント・レフェリーの介入と、主審によるオン・フィールド・レビューでPKに変わった後半39分。大役を任された家長が、ゴール右隅へ劇的な勝ち越し弾を決めた。

 
 試合後のフラッシュインタビュー。家長は憔悴しきった表情で応じている。
「駆け引きなんてなくて。プレッシャーしなかったし、蹴りたくなかったけど、入ってよかった」
 感情をほとんど表に出さない男が、蹴る直前に深呼吸を2回も繰り返した。勝ち越した直後にはその場へひざまずき、右手を芝生に2回も叩きつけた。生きるか死ぬかの境界線。想像を絶するほどのプレッシャーを乗り越え、つかんだ勝利には計り知れない価値がある。
 マリノスとの勝ち点2ポイント差を死守して臨む最終節へ。家長が決意を新たにした。
「可能性的には勝つしかなくなったのでわかりやすい。勝って優勝できると信じて頑張りたい」

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