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日本はクロアチアと1-1の120分間の死闘の末、PK戦で敗れ、ベスト8進出を逃した(写真・AP/アフロ)
日本はクロアチアと1-1の120分間の死闘の末、PK戦で敗れ、ベスト8進出を逃した(写真・AP/アフロ)

城氏が語るPK戦で敗れたクロアチア戦…「私には新時代は見えなかった。なぜ後半すぐに三笘を投入しなかったのか?」

 試合後、森保監督は、「ベスト16の壁は越えられなかったが、選手たちは新時代を見せてくれた」と発言した。果たして本当に日本サッカーの新時代が見えたのか。厳しい言い方だが、私には見えなかった。三笘、遠藤、堂安、浅野ら、世界で通用する個の能力は、存分に見せてくれた。欧州でプレーする選手が増えて個のレベルは間違いなく高くなった。ドイツ、スペイン戦では、前半を1失点で耐え抜き、後半にシステム、あるいは、メンバーを変えて流れをつかみ一気に逆転に持ち込むという必勝パターンを構築させて世界を驚かせた。歴史的な2勝だったことは間違いない。
 しかし、チームとしてのベスト16の壁は、依然として残ったままに感じた。どこでボールを奪い、どう攻めるか。ポゼッションをして、攻撃する際には、どう攻めて、2人目、3人目がどう連携するのか。そういう共通認識とコンセプトが見えてこなかった。ベスト16の壁を越えるには、グルーピングとコンセプトが、ハッキリと確立せねばならない。

 今後の議論として森保監督の去就問題が出てくると思う。私は、「交代すべき」という意見。森保監督の采配は光ったが、4年間の積み重ねという部分でのマネジメント力には疑問符がつく。ベスト16の壁を越えるには限界を感じた。今回メンバー発表は11月1日に行われたが、もっと早く決めて、強化試合をメンバー選考に使うのではなく、お互いを理解する時間を増やし、連携力を高めることに使うべきだったと思う。
 個の能力が上がってきた今こそ、新時代を切り拓くには、選手のポテンシャルをさらに引き出し、そこに組織力をプラスアルファできる指揮官が必要だと思う。W杯でベスト8以上の実績、あるいは、海外のビッグクラブでのタイトル経験のある外国人監督が望ましいが、言葉の問題などがあり、細かい部分まで落としこめないデメリットもある。私は、そういう人物をアドバイザーに置き、日本人監督とのコンビで8強入りを目指す体制を作るのがベストだという考え。日本サッカー協会は、今大会の成果を土台に、どんな未来図を描き、次期体制を決定するのだろうか。
(文責・城彰二/元日本代表FW)

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