メッシがW杯トロフィーを抱いて寝た部屋が「博物館」になる(メッシのインスタグラムより)
メッシがW杯トロフィーを抱いて寝た部屋が「博物館」になる(メッシのインスタグラムより)

メッシがW杯カタール大会で滞在した部屋が「博物館」になる

 FIFAワールドカップ・カタール大会で優勝したアルゼンチン代表の主将で大会MVPを獲得したリオネル・メッシ(35)が大会中に滞在した宿舎の部屋が「博物館」として保存されることになった。アルゼンチン代表に宿舎を提供したカタール大学が発表したものでカタールの国営通信社「QNA」やカタールの新聞「Al Sharq」などが伝えた。カタール大会を象徴する存在となったメッシがまさに“レガシー”として語り継がれることになりそうだ。

カタール大学の宿舎「5つ星グレード」

 

 メッシがW杯初の開催国となったカタールに与えた衝撃の波紋は、今なお収まらない。5大会連続のW杯出場となったメッシは、グループステージからの全試合に先発出場して、W杯最多出場記録を更新、決勝のフランス代表戦での2ゴールを含む7ゴール3アシストの大活躍でチームを36年ぶりの頂点に導き、自身も2度目のMVPを獲得した。
 スーパースターの輝きにカタール全土が興奮に包まれたが、大会中にアルゼンチン代表チームが宿舎として利用して、滞在していたカタール大学のメッシの部屋が「博物館」として、そのまま保存されることになったのだ。
 カタールの新聞「Al Sharq」の取材によると、カタール大学のアル・ヒトミ広報部長は、「メッシが残したすべての持ち物をそのまま保管する小さな博物館となり、そこは学生や将来の世代のための遺産となる。宿泊はできず訪問のみを可能とする予定で(訪れた人が)メッシが成し遂げた偉大な功績の証人となる」と説明。
 メッシの私物などがどれだけ残されているかは不明だが、部屋に飾られていた写真や、W杯トロフィーを抱いたまま寝たベッドなどが、そのまま博物館の展示品になるという。
 今大会中に同大学の宿舎には、アルゼンチン代表とスペイン代表が宿泊し、構内のスタジアムで調整しプールやトレーニング施設を利用した。 
 2019年のクラブワールドカップの際には、リバプールが同大学に宿泊したが、FIFAの指導に沿って、部屋やトレーニング施設などの改修が行われ、同広報部長は、「学内のスタジアムやトレーニング施設も含めて理想的な環境を(アルゼンチン、スペインに)与えることに成功した。5つ星のグレードの快適さがあり、選手が必要とするあらゆるものを揃え、国際基準を満たした宿舎になった。高級なリゾートホテルに宿泊したチームが目的(優勝)を達成できなかったことで、それは明らかだ」と自慢している。 
 アルゼンチン代表は、食事だけは大学に頼らずにチームで調達してきたそうだが、それ以外は、すべてカタール大学がボランティアの協力などを得てサポート。特にセキュリティ面では、特別なシステムを立ち上げて、安全を確保したという。同広報部長は、アルゼンチン代表の構内での生活の様子を動画に収めたそうだが、メッシらは宿舎での生活に満足していたという。
 また今後は、博物館化するメッシの部屋以外は、若干の改修が加えられ、学生の宿泊施設として利用される方向で、同広報部長は「スポーツ施設やスタジアムは将来、カタール大学の学生にメリットをもたらす。今大会では、さまざまなレベルで成功を収め、その研究や発明は素晴らしいW杯遺産となった」と強調している。
 先日は、W杯の表彰式でメッシがカタールのタミル首長から着させられて物議を醸すことになった伝統衣装「ビシュト」をオマーンの国会議員で弁護士でもあるアフメド・アル・バルワニ氏が「100万ドル(約1億3200万円)で譲って欲しい」とツイッターで申し入れて大きな話題になった。
 今大会で強烈なインパクトを与えたメッシは、開催国のカタールを含めた中東、アラブで“カリスマ化”しているのかもしれない。

関連記事一覧